大商大(関西6大学)が延長10回のタイブレークを制し、2年連続の初戦突破だ。延長10回は無死一、二塁の状況から開始。犠打で1死二、三塁とし、福島大輝外野手(2年=倉敷商)が144キロ速球をとらえ、前進守備を破って右前に決勝打を放った。

打線は今秋ドラフト候補の金村尚真投手(4年=岡山学芸館)に苦戦しながら粘り勝った。富山陽一監督(57)は「絶対に打てないと思いました。スピンが利いて、ベース板で非常に強い。本当にいい投手。1点取られて『帰る準備をしようか』と言っていた」と振り返った。

継投策が的中した。先発左腕の伊原陵人投手(4年=智弁学園)が5回途中まで1失点の力投。2番手の上田大河投手(3年=大商大高)は自己最速を1キロ更新する152キロをマークした。落差の大きいスプリットやチェンジアップを駆使して、追加点を与えなかった。NPBのスカウトが大挙して視察する中での快投。来秋ドラフト候補の上田は「自分が点を取られたら負ける。(金村が)いい投手と分かっていた。その分、気持ちが入りました。今日は絶対に負けられない気持ちでした」と話した。富山監督も「状態がすごくよかった。5回まで伊原。6回から上田と決めていた。うまくいけた」と評価する。幸先のいいスタートを切った。