連敗ストッパーがまた止めた。広島床田寛樹投手(27)が「日本生命セ・パ交流戦」楽天戦(楽天生命パーク)に先発。負ければ今季初の借金生活に突入した一戦で、7回1失点と好投した。楽天のエース田中将に投げ勝ち、リーグトップに並ぶ6勝目。チームの連敗を「3」で止めた。
前回登板の5月31日日本ハム戦(マツダスタジアム)でもチームの連敗を「4」で止める投球を披露。チームに勝利をもたらした。
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床田が腕を振るたび、額から水滴が飛び散った。試合前から降っていた弱い雨が先発左腕をぬらす。試合中盤には雨もやんだ。最後には7回2安打1失点の力投からくる大粒の汗が、床田をぬらした。「立ち上がりに思い切り力を入れた。途中から疲れて握力落ちたが、なんとか粘り強く投げられた」。114球の力投でリーグトップに並ぶ6勝目(3敗)。さらに自身のキャリアハイ7勝にも迫る。
忘れられない雪辱が左腕に力を与えた。前回対戦が19年の交流戦。2回途中5被弾7失点でKOされていた。「野球をやってきた中で一番」と悔しさを表現し、降板後のベンチでは涙も見せた。「絶対やり返したいと思ってマウンドに上がった。勝手に力が入った」。佐々岡監督も試合前に「3年前のそれを返せ。今年の床田はボールが違うんだ」と言葉をかけ、マウンドに送り出した。
そのマウンドで楽天打線を寄せ付けなかった。与えた安打はわずかに2本。適時打なしの1失点にまとめた。相手マウンドには楽天のエース田中将。「(田中将は)めちゃくちゃ良い投手。向こうの流れに乗って投げた」。日米通算185勝投手との投げ合いを制し、充実の表情だった。「カード頭をしっかり取れたというのは自分でも成長したと思う」。乗りに乗っている27歳は手応え十分だ。
チームの連敗は3でストップ。今季初の借金突入の危機だったが、こらえた。指揮官も「床田の投球に尽きる」とひと言。あの日、涙を流した仙台のマウンドで、リベンジ快投を見せつけた。「今日の投球だったら、あと5回くらいやり返してトントンかな」。脳裏に焼き付く、5被弾7失点KO。悔しさはまだまだ払いきれないが、ひとまず成長を見せつけた。【前山慎治】
○…会沢翼捕手の47日ぶりの適時打が、決勝打となった。0-0の5回。無死一、二塁から2死となるも、楽天田中将の初球、浮いたスプリットを右前に転がして二塁走者を本塁に迎え入れた。「すごくいい投手なので追い込まれたら難しい。積極的に行こうと思っていました。床田も頑張っていた。何とか点を入れられて良かった」。4月22日DeNA戦以来の適時打で先発左腕を援護し、好リードで3投手を支えた。
○…野間峻祥外野手が楽天田中将から2本の二塁打を放った。1点を先制した5回2死一、二塁から、詰まりながらも右翼線への貴重な追加点を奪った。8回は1死から一塁線を破る二塁打。宇草の二ゴロで相手守備が乱れる間に、3点目のホームを駆け抜けた。「(西川)龍馬、(大瀬良)大地さんも抜けた中で厳しい戦いが続いているが、本当にみんなで束になって相手に向かっていく」。離脱者が相次ぐ中、野手主将が連敗ストップにチームを導いた。



