4年越しのマウンドで、真っ向勝負した。日本ハム柿木蓮投手が、3者凡退で1軍デビューを飾った。6点リードの7回。「開き直りじゃないですけど、やってきたことを、ただ出すだけだと思った」。みなぎるアドレナリンを1球ごとに込めた。最速150キロ。1死、2死はバットをへし折り奪った。

気迫満点。三塁側ベンチには「ヨッシャー!」と連呼しながら戻った。新庄監督は満面の笑みで出迎えてくれた。この日、柿木を登板させることは決めていたという。「本人以上に僕がうれしくなりました」と大興奮。新人の時から見ている捕手石川亮も「あんな柿木、見たことがない」と最高潮のボルテージに揺さぶられた。

18年夏の甲子園で大阪桐蔭の優勝投手。鳴り物入りで入団も、吉田や野村ら高卒同期4人が続々と1軍へ。唯一、取り残されていた。「焦りもありましたけど、やっぱり悔しさのほうが強かった」。現状打破へ20年オフからロッテ石川に弟子入りし、体の使い方から学んだ。「体現できるようになってきた」。

ようやくプロのスタートラインに立った。「長かったですね。今日みたいにゾーンで勝負するのが僕の持ち味。どの場面でも関係なく、思い切り投げていきたい」。待望のピースが加わった。【田中彩友美】

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