オリックスのエース山本由伸投手(23)が8回6安打1失点の好投で、リーグトップを走る今季9勝目をマークした。2回1死から5番井上への2球目直球は自己最速159キロを計測。球団日本人最速をズバンと投げ込んだ。

「今週(調整を)良い感じにできていたので、自信はありました。良いタイミング、良い力感で投げられた。いつもより(出力が)出ていた」

球速が出たのは投球フォームの再現性にあった。「肩が開かず(体が)良い回転できたんで、そこかなと思います」。何回も見直した自身の投球映像が、脳内にある。だからこそ、本番のマウンドで「一番良い形」を表現できる。

プロ6年目の23歳。レベルアップには、時間がかかるからこそ面白い。この日は「ドラクエデー」として開催。スタジアムにはスライムも出現した。山本は小学生時代にゲーム「ドラゴンクエスト」をニンテンドーDSでプレー。「あれ知ってます? 友達がすぐレベルアップできる技を教えてくれて…。すぐにレベルが99になるんです」。最強の裏技を伝授されても「…で、飽きたっす(笑い)。普通にプレーするのが楽しい」と地道に進む方法を選ぶのはこの頃から不変だ。

159キロは担当スカウトの山口和男氏の158キロを1キロ抜いた。伝え聞くと「おー、和男さんの。本当にパパのような存在なのでうれしい」とけなげに笑う。 中嶋監督も「安心して見ていた」と評価。山本は「ボールの質をどんどん求めて、スピードが上がっていくのが理想。(まだ)上がると思います」とうなづく。23歳剛腕は、進化の途中にいる。【真柴健】

○…2本の適時二塁打を放った選手会長の吉田正が、新加入の石岡を歓迎した。早速1学年上の石岡が「エヴァって呼んで」と言ったそうで「すごく明るくて元気な先輩。練習からハツラツ。元気やなと。熱中症だけ気をつけて(笑い)」と白い歯を見せた。16年の台湾ウインター・リーグでチームメートの経験があり「(痛めていた)腰の手術も同じ先生でした」としみじみと語った。

○…中日からトレード移籍した石岡が、ほっともっと神戸で入団会見を行った。スーツ姿で会見を行い「突然だったのでビックリした。チャンスをいただけて有り難い。地元がこっち(神戸)だったので(幼少期)オリックスファンでした」と照れた。背番号は00に決定。この日に出場選手登録され、代走で途中出場したが、新ユニホームが間に合わずチームスタッフに借りた「112番」でプレーした。

【関連記事】オリックスニュース一覧