東京6大学野球連盟のホームページには、こんな言葉が並ぶ。

「神宮を照らす“記録”という宝物」

25年秋に100周年を迎える東京6大学の公式記録室のサイトが4月から始まった。「野球は記録のスポーツ。記録は野球という文化を育む大切な宝物」という思いが込められている。

記録をたどることは、歴史を知ること。内藤雅之事務局長は「6大学の先輩方や、新入部員も検索して見ることができる。知ることは、育成にもつながる。つないでいくことが大事だと考えています」と意図を明かした。

近年の記録から掲載されており、現在は00年以降がチェックできる。1925年(大14)の開幕から第2次世界大戦中までの記録は連盟に残っていないため、今後、各大学の部誌などから情報を集約していく予定だ。

サイトを運営する株式会社タイズブリックの担当者、倉本彩絵花さんは「今までアマチュア野球界では、記録にフォーカスしたサイトがありませんでした。だからこそ、作りたいんです」と話す。膨大なスコアシートをデジタル化するため人工知能(AI)の開発も始まっている。高校時代、野球部のマネジャーをしていた倉本さんは、練習試合の際にスコアを書くのが役目だった。当時は「これは何に使われるんだろう?」と疑問に思っていたという。「基本的にスコアはマネジャーが書いています。サイトを見た時に書いているスコアシートがあったら、書いている意義が出てくると思うんです」。

イニングの経過や個人記録だけでなく、スコアが記入されたシートそのものを掲載することに、こだわっている。そこには、たずさわった全員の思いが詰まっているから。内藤事務局長は「ファンの方々や、当時の試合を応援していた方の記憶がよみがえるようなものになれば」と期待する。

将来的には、個人が所蔵している写真や動画を提供してもらい、デジタル化して記録とともに閲覧できるようにするプランもある。100年という時間を、世代を超えて旅することができるサイト。記録が、歴史を教えてくれる。【保坂恭子】