ソフトバンクが手痛い連敗を喫した。勝率差で首位はキープしたが、またも2位西武、3位オリックスまでがゲーム差なしで並ぶ状況になった。カード勝ち越しを許した4位の楽天も2・5差まで接近。混戦パ・リーグからなかなか抜け出すことができない。

藤本博史監督(58)は4回に4失点した先発レイをあきらめ、2点を追う5回から早めの継投に入った。「あれ以上点を取られたら余計にしんどくなるし。早く止めておこうということでいったけどね」。2番手の泉が5回を無失点で抑えると、左打者4人が並んだ6回には左キラーの嘉弥真をぶつけ、しのいだ。

2点を追う7回には必勝継投の松本を投入。だが山崎に2死からソロ本塁打を被弾し、リードを広げられた。さらに8回に登板した甲斐野も、8番太田に適時打を許し2点を失った。劣勢でも勝ちパターンをつぎ込んだ決死の継投は実らず、藤本監督は「うーん。ちょっとね、しんどいね。うまいこといかないね」と声を絞り出した。

これで9月の月間成績は3勝4敗と黒星が先行。勝負どころで勢いに乗ることができていない。救援陣にも、これまでは基本的に避けてきた「3連投」を解禁し、総力戦でのスパートを思い描いているが、なかなか歯車がかみ合ってこない。

10日からは勝負の11連戦が待つ。藤本監督は「全力で気持ちを入れて、1打席もむだにしない、投手なら1球もむだにしない、それくらいの気持ちでね」と、言葉に力を込めた。【山本大地】

○…柳田悠岐外野手の先制弾も勝利に結びつかなかった。初回1死一塁から涌井のフォークを左翼テラス席に運ぶ17号2ラン。「追い込まれてから、まずバットに当てることだけを考えました。結果的に芯に当たってホームランになってくれました」。この日、登録抹消となった松田のバットを借り、新型コロナ感染から復帰初アーチ。8回にも犠飛を放ち計3打点と存在感を示したが、チームは痛恨の逆転負け。試合後に笑顔はなかった。

▽ソフトバンク柳町(1軍復帰し8番左翼で先発し3打数1安打) 何とか結果で応えて勝ちにつなげようと試合に臨んだ。ヒットは出ましたが、勝ちにつながらず悔しい。

▽ソフトバンク・レイ(先発も4回に2本塁打など4失点。69球で降板) 調子は悪くなかった。打たれたボールはバッターがコンタクトしやすい高さにいってしまった。大事な試合でこのような投球になってしまい、チームに申し訳ない。

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