広島が24日、カープOBの石原慶幸氏(43)と、広島のほか西武とヤクルトでプレーした福地寿樹氏(46)の入閣を発表した。石原氏は1軍バッテリーコーチとして、現役時代から定評があった配球面の改善と若手捕手の育成が期待される。福地氏は通算251盗塁の足のスペシャリスト。ヤクルトで指導経験もあり、機動力再建の一翼を担う。両氏のほか、藤井彰人氏(46)、新井良太氏(39)の入閣も正式に発表した。

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新井体制が固まった。新たに石原氏、福地氏の球団OB2人が入閣。両氏にはチームの課題解消に導く指導が期待される。両氏のほか、藤井氏と新井良氏の入閣も正式に発表された。新体制では他球団経験者を招き入れ、若返りもみられる。球団幹部が「満足感は高い」と認める新井体制で23年シーズンを迎える。

現役19年広島一筋の石原氏は、1軍バッテリーコーチとして帰ってくる。現役時代は3連覇に貢献し、球団捕手最多1620試合に出場。捕球技術、送球と捕手技術が高く、リード面でも定評があった。来季から指揮を執る新井監督とは長くともにプレーし、野球観を共有している。入団した01年から07年、新井監督が阪神から復帰した15年以降は黒田氏とともにチームの中心としてけん引した。

20年の現役引退後は野球評論家として活動していた。今季、広島バッテリーは盗塁阻止率2割にとどまった。投手との共同作業を深めつつ、捕手力強化も求められる。ともに3連覇を支えた正捕手会沢の復活とともに、来季から捕手専念の坂倉ら「ポスト会沢」の育成も求められる。

福地氏も入団した94年から05年まで広島でプレーした球団OBだ。06年開幕前まで新井監督とともに猛練習で鍛えられた。広島野球も熟知している。06年からは西武、ヤクルトと渡り歩き、ヤクルトでは2年連続盗塁王を獲得。引退後の13年から昨年までの9年間、ヤクルトでコーチを務めた。

今季チーム盗塁数は、球団史上最少26盗塁。2軍の47盗塁もリーグ最少だった。まだ担当は発表されていないものの、球団幹部は「盗塁、走塁を伝えてほしい」と機動力強化に期待する。バッテリー強化と機動力復活は、新井監督が目指すチーム再建に欠かせない。【前原淳】

◆石原慶幸(いしはら・よしゆき)1979年(昭54)9月7日生まれ、岐阜県出身。県岐阜商-東北福祉大を経て01年ドラフト4巡目で広島入り。09年WBC日本代表。最優秀バッテリー賞は3度受賞。25年ぶり優勝の16年はともに自身初のベストナイン、ゴールデングラブ賞に選出。18年には史上最年長の38歳8カ月で通算1000安打を達成。広島の捕手では初の1000安打だった。20年限りで引退。現役通算1620試合出場、4335打数1022安打、66本塁打、378打点、打率2割3分6厘。現役時代は177センチ、90キロ。右投げ右打ち。

◆福地寿樹(ふくち・かずき)1975年(昭50)12月17日生まれ、佐賀県出身。杵島商(現白石)から93年ドラフト4位で広島入団。97年に初出場し、06年開幕直前にトレードで西武へ移籍。07年オフにはFA移籍した石井一久の人的補償でヤクルトへ。08、09年はともに42盗塁で盗塁王を獲得し、12年限りで現役引退。14年から21年までヤクルトでコーチを務めた。現役通算1009試合出場、2389打数650安打、20本塁打、184打点、251盗塁、打率2割7分2厘。現役時代は184センチ、85キロ。右投げ両打ち。

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