日本ハムのドラフト3位加藤豪将内野手(28=前メッツ3A)が9日、実戦形式の練習で記念すべき“来日初安打”を放った。

沖縄・国頭での秋季キャンプ3日目。打ったら三塁へ走る“逆回り”のライブBPで、育成の松本遼大投手(20)が投じた直球を右前へ運んだ。「メジャーの1本目よりもうれしかった」と、大喜び。チームにも、すっかり溶け込み“日本色”に染まってきた。

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“逆輸入”で入団した加藤豪が、名刺代わりの一打を右前へ放った。来日初の実戦形式となったライブBP。“4打席目”で、育成右腕の松本遼の真っすぐを引っ張った。打ったら三塁ベースへ走る“逆回りルール”に四苦八苦も、「2カ月ぶり」という実戦形式を充実の表情で終えた。

加藤豪 すごい楽しかったです。久しぶりの試合で日本での初ヒットが出たので、満足しています。正直、メジャーの1本目よりもうれしかったです。

13年MLBドラフトでヤンキースの2巡目指名を受けてから苦節10年目。ブルージェイズ在籍時の今年4月27日、レッドソックス戦で放ったメジャー初安打より、喜びは上回った。「今日は立ち位置でいろんなことをやってみたり、いっぱいトライして失敗して。かなりいい内容だったと思う」と、充実感を漂わせた。

少しでも早く日本の「野球」に慣れるため、志願して秋季キャンプに参加している。キャンプ初日の7日から連日、欠かさずブルペンに通い、日本人投手の球筋やストライクゾーンを確認。食事面でも、日米で変化はある。「こっちだと麺類が多いので、それは試合前には食べたことがない。自分の体がどう反応するかチェックしているところ」と、どこまでも勤勉だ。

現在まで8年使っているバットは、米国で主流のバーチ材。「NPBのルール上では使っちゃダメ」なことから、日本のメーカーにメープル材のバットを発注済みだ。8日にメープル材のバットを使ったところ、感触はバッチリ。「はじきがいいから、フォームにあまりこだわらず、バットに任せるくらいの気持ちでいいよ」と助言した新庄監督は、来日から約1週間で飛び出した加藤豪の“初安打”に「エスコンフィールドで初安打を打ったとしても、今日の方がうれしさは勝っているかもしれない」。真新しい背番号3の進化は、止まらない。【中島宙恵】