目指すは火の玉ストレートだ。広島のドラフト1位苫小牧中央・斉藤優汰投手(3年)が11日、苫小牧市内のホテルで仮契約を結んだ。

契約金1億円、年俸800万円(金額は推定)で合意。背番号は47に決まった。最速151キロ右腕は155キロを目標に設定。理想の1つとして、阪神の藤川球児SA(スペシャルアシスタント=42)の現役時代の直球を挙げるなど、プロでも自分の武器に磨きをかける。

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仮契約後の記者会見で、斉藤がはっきりとプロでの目標を口にした。「155キロを出したいなと思っている。走り込みをしっかりしたら、もっとスピードが出るというふうに(球団側に)言ってもらえた。これから体を鍛えて、目標に到達できるように」と意気込んだ。

自身の最速は151キロ。数多いプロ野球選手の中で自分が思い描くような直球を投げる投手がいる。「現役の選手ではないですけど、元阪神の藤川球児選手のストレートの軌道が自分はすごく好き。そういうストレートを投げられるようになりたい」と1つの理想に挙げる。藤川氏は現役時代、来るとわかっていても打てない“火の玉ストレート”を武器としていた。目指すは藤川氏ばりの直球だ。

この日、球団からは白武佳久スカウト部長(62)と担当の近藤芳久スカウト(57)が出席した。近藤スカウトは「今の(チームの)中心投手は30歳前後なので、これからは若い力が必要。先発で頑張ってくれると思う。1年目は体づくりで2年目、3年目から出てきてくれたら」と期待を込める。背番号が47番に決まった斉藤は「47番を見たら斉藤だな、というふうに認知してもらえるようになりたい」と話した。

契約金1億円、年俸800万円で合意した。破格の金額に「ゼロが多かったです…。自分には計り知れない金額というか、びっくりした」と目を丸くした。女手一つで支えてくれた母明美さん(56)も同席。「負担をかけてきたので、こういう形でやっと恩返しができる」と口にし、母は「ケガなく、ファンの方やみんなから愛される選手になってほしい」とエールを送った。今後もプロ入りへ向けトレーニングを積む。「実感がすごくわいてきて、プロへの道を踏み出したんだなという気持ち。これからさらに頑張らないといけない」。決意新たにプロの世界に飛び込む。【山崎純一】

◆斉藤優汰(さいとう・ゆうた)2004年(平16)5月27日、北海道岩見沢市生まれ。岩見沢日の出小4年時に岩見沢日の出タイガースで野球を始める。中1まで捕手も、岩見沢明成中2年の秋から投手転向。苫小牧中央では1年秋から背番号18でベンチ入り。3年春の全道と夏の南北海道大会で4強に進出。好きな言葉は「習慣は第2の天性なり」。趣味は小説を読むこと。家族は母と弟。好きな食べ物はそば。血液型O。189・5センチ、90キロ。右投げ左打ち。