来季の開幕投手に内定している日本ハム加藤貴之投手(30)が11月30日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、6200万円増の年俸1億3500万円で契約更改した。

順調なら来季中に国内フリーエージェント(FA)権を取得する左腕は、球団から提示された複数年契約は固辞して単年契約を選択。新球場「エスコンフィールド北海道」の幕開けを託される左腕は“一人前”と評価される3年連続の活躍だけを目指し、来季も自然体で結果を出し続ける。(金額は推定)

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加藤貴は金額を問われると“どストライク”で答えた。「金額は全部で1億3500万円で契約しました」。制球抜群の投球と同様にピンポイントで回答した。「僕1人で取った金額ではない。(コーチや裏方さんら)全ての人に感謝したい」。2年連続で規定投球回をクリアし、自己最多の8勝。与四球11個は72年ぶりに最少記録を更新し、一気に大台を突破した。

あえて単年契約を選んだ。順調なら来季中に国内FA権を取得する。球団からは複数年契約の提示もあったが、固辞した。「3年間活躍してから(複数年契約は)考えたいと思っていた。もう1年しっかり勝負したい。ファイターズの方針というか、3年間(続けて活躍する)というのが大事」。球団側も本人の強い意思を尊重。まずは“一人前”と評価される3年連続の活躍だけを見据えた。

来季は開幕投手に内定している。4カ月後の大役への意識は、いい意味で高まっていない。この日も開幕投手について問われても「全然、意識してないです」、「あんまり気にせずに投げたいと思います」、「本当、特に意識してないので」と苦笑い。最後はシーズン中の先発登板前日のように「いつも通り、全力で初回から投げていきたい」と、普段通りの気負わないスタイルで意気込んだ。

今オフの取り組みも例年と変えない。「どんどん走って、トレーニングしてっていう形でいきたい」と、しっかり体をつくり、来春キャンプでは「2月1日にピッチングをする予定なので、そこで本当に球数を投げようと思っている」。まずはシーズンを通して先発ローテで回るための準備を進める予定の加藤貴は、来季の目標として色紙に今季より1個少ない「10四球」と書き込んだ。安定していた2年間と同様に自然体で結果を求める来季。左のエースは淡々と開幕戦から躍動する。

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