ロッカールームを出た阪神村上頌樹投手(24)に、いつもの笑顔はなかった。

今季3敗目を喫した右腕は「粘れなかったというのが悪いですし、ホームランもダメだった。(エラーの後は)絶対粘らないといけない場面だった。自分の実力ですし。ダメですね」。8回4安打2失点、無四球の好投も、語ったのは自身への反省。悔しさを押し殺し、球場を後にした。

4回に失策や安打で無死満塁のピンチを招き、5番中川圭の右前適時打で先制点を献上。7回には6番ゴンザレスから2戦連続被弾となる1発で2点目を許した。それでも大量得点は許さず、今季7度目のクオリティースタート(6回以上自責点3以内)を達成。9つの三振を奪った。

相手先発山本は、98年生まれの同学年。この試合までの成績はともに5勝2敗。防御率も山本の1・82に対して1・83と、互角の成績を残していた。前評判通りの投手戦を演じたが、「その差」はあった。2年連続の沢村賞投手のボールを打席でも体感し「まっすぐの質であったり、変化のキレは体感できた。ああいうボールを投げられるようにやっていきたい」と、刺激にも変えた。

粘投実らずも岡田監督は「よう投げたよ。そら。エラー絡みで最初の1点は痛かったよなあ。よう1点でしのいだけどなあ」とたたえた。「これを次に生かしていきたいと思います」。週頭を任される「火曜日の男」。悔しさをバネにステップアップする。【波部俊之介】

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