阪神大竹耕太郎投手(28)が、5回8安打2失点と踏ん張ってチームトップの9勝目を挙げた。2回、8番村松に先制打を浴び、4回には5番木下の左越えソロで2点目を許した。4回までは毎回走者を出しながらのヒヤヒヤ投球だったが、「自分自身でもボールに力がないのも感じていた。気持ちでは負けないようにと意識していた」。92キロの超スローボールを投じるなど工夫を凝らし、なんとか白星をつかみ取った。

ナインに感謝しきりだ。2回、3回は2つの併殺でピンチを脱出。4回にはノイジーの二塁補殺が生まれるなど、味方の好守にも支えられた。5回に打線が奮起して1点を勝ち越し。大竹自身は追加点を狙う場面で代打が送られたが、白星の権利を得た。試合後も「本当に守備に助けてもらったおかげでなんとか試合をつくることができた」と神妙な表情だ。

体調不良による離脱もあったが、自身3連勝で初の2桁勝利にも王手をかけた。今季唯一の黒星は6月10日の日本ハム戦で喫した1敗のみ。セ・リーグ不敗神話は継続中だ。真面目な左腕は「勝敗に関しては僕のコントロールできない部分。次はもっと長いイニングを投げたいですし、安心して見てもらえる内容の投球ができるように準備します」と、次回登板を見据えた。【桝井聡】