3位ロッテの小島和哉投手(27)が運命の「10・9」で先発を任された。クライマックス・シリーズ進出をかけたレギュラーシーズン最終戦の楽天戦(午後2時開始、楽天モバイルパーク)。吉井理人監督(58)から開幕投手に続いて大一番を託された左腕は8日、「運良く最初と最後を投げさせてもらう形になるので、本当に意気に感じて、『終わり良ければすべて良し』じゃないですけれど、内容はどうでも良いので、とりあえず勝って終われるようにしたいと思います」と決意した。

勝てば天国、負ければ地獄-。楽天とのCS争い直接対決を制すれば、ソフトバンクの結果次第で2位の可能性もあり、敗れれば4位陥落が決定する。浦和学院時代にはセンバツ甲子園優勝、早大時代にも日本一と、修羅場を乗り越えてきた経験を持つ小島。「(大舞台は)好きではないですけどね。でも、それ以上に期待してもらっていると思えるほうがもっと頑張れると思うので、自分自身にも期待して頑張りたい」とみずからを奮い立たせた。

今季はソフトバンクとの開幕戦で黒星を喫したが、その次戦からは登板7戦連続でチームに勝ちをもらたらした。うち、自身も5つの白星。1年間ローテーションをしっかり守り、3年連続で規定投球回を達成した先発陣の柱だ。「(6日に)中継ぎのブルペンデーとかも見て、勇気もらいましたし、先発がしっかり頑張らないといけないなと思いました」。2年ぶり2度目の2ケタ勝利にも王手をかけているが、「チームが勝ちさえすれば誰に勝ちついても別に良いと思っているので、勝てればなんでも良い」と個人の数字は関係ない。

今季の楽天戦は6試合に登板し、0勝1敗だが、うち5試合でチームは勝利している。楽天予告先発の則本との投げ合いも、5試合目。唯一の黒星を喫している相手だけに、「終わり良ければすべて良し」を体現するしかない。

意外な本音も漏らした。「いつも、めちゃめちゃ、緊張します。緊張したまま(マウンドに)上がります。ご飯も食べられないし…」。極限状態の中で戦い、登板後には「甘いの食べます」と自身へのご褒美も“勝つ”力の1つだ。コンビニのスイーツコーナーで悩む楽しみもあり。「ロッテのお菓子が1番ですね」とお菓子もあり。投球同様に多彩だ。マウンド上だけは“甘い”球は厳禁。「集大成となる試合。自分の役目をしっかり果たせるように。最初から飛ばしていきたい」と最終決戦の地・仙台に入った。【鎌田直秀】

【関連記事】ロッテニュース一覧