「代打・頓宮」のコールに大歓声が起きる。オリックス頓宮裕真捕手が初球を振り抜くと、鋭いライナーが左翼ライン際にはずんだ。若月の先制打に続き、一気呵成(かせい)の2点目。「若月さんが打ってくれたので気楽にいけました。ナイスランです!」。千両役者は一塁から激走した先輩を持ち上げた。
9月に左足甲を疲労骨折。初タイトルとなる首位打者を獲得したバットマンに暗雲が漂った。ギリギリでCSファイナルに間に合わせ、代打として待機。「盛り上げてこい」。打席に向かう直前、中嶋監督の一言に背中を押され、復帰2打席目で応えた。「ドキドキでしたが、あれで楽になりました」と感謝した。
お立ち台では久しぶりの「3、2、1、ほいさー!」を披露した。「次、いつ立てるか分からないので」と異例のリピートで笑わせたムードメーカー。名前にちなんだ応援トングも売れ行き好調。このままロッテを日本一争奪レースからつまみ出す勢いだ。【柏原誠】