ソフトバンク和田毅投手(42)が15日、長崎市内で自主トレを公開し、急転直下となった人的補償問題に初言及した。西武側は当初、FA山川の人的補償で和田を指名する方針を固めたが、球団内外のハレーションや影響などを両球団が熟慮。急きょ甲斐野が移籍する急展開があった。和田は「もうその件には触れたくない」と話すにとどめ、自身5度目で球界最年長となる開幕投手に照準を定めた。

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和田が人的補償を巡る問題に初めて言及した。寒空の下で報道陣に囲まれると、慎重に言葉を選び思いを語った。

和田 いろいろな報道、記事が出ているみたいですけど、自分としてはもうその件には触れたくない思いと、考えたくないっていうのが一番の思い。あとはね、(自主トレ先に)来ていただいてるファンの方とか、応援していただいているファンの方からもメッセージをいただいているので。自分ができることは、チームのために一生懸命に投げることだけ。その準備をしっかりとするだけ。そういう気持ちです。

10日時点で、西武側はFAで移籍した山川の人的補償で和田を指名する方針を固めていた。だがチームの顔で、功労者であるベテラン左腕の流出に球団内外のハレーション、影響などを熟慮。翌11日に両球団が話し合い、甲斐野が選び直されるという急展開があった。一連の問題はプロ野球界で大きな波紋を呼び、特にホークスファンからは和田の流出に対して悲痛の声が続出。そんなファンの声に和田は「すごくありがたい気持ちですし、自分が今までやってきたことは、ファンの皆さんにとって少しでも受け入れてもらえていたのかなって思います」と感謝した。

自主トレでは恒例となった坂道ダッシュを8本消化。2月に43歳を迎えるベテランとは思えないタフな姿を見せた。すでに有原とともに開幕ローテーション入りも内定。目指すは17年以来、7年ぶり5度目の開幕投手だ。「今年に関しては目指していってもいいのかなと思っているので。そこを目指していきたいと思ってます」。実現すれば元広島大野豊の42歳7カ月を抜く球界最年長の記録更新。金字塔を打ち立てるべく、和田は歩いている。【只松憲】

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