「壁」を乗り越え、二刀流で躍動した。楽天藤井聖投手(27)が、甲子園を舞台に今季初めて6回のマウンドに上がった。先頭の阪神中野を外角低めスライダーで空振り三振、続く前川も低めスライダーで空を切らせた。最後は森下を左飛で3者凡退。「6回以降が初めてだったので、すごい変な緊張感みたいなのは正直ありました。でも、あんまり気にせず、バッターに向かって行こうと」。自己最長の7回1/3を3安打1失点7奪三振でまとめた。
自らを援護もした。3-1の4回2死一、二塁。フルカウントから西勇の144キロ直球に反応し、右前適時打を放った。茂木の打撃フォームを参考にした上で「石原がバッティングってものを教えてくれたので、僕はそれに従って打っただけです」と、プロ初安打&初打点をマークした。
球数が少なくても5回までの登板、好投後に2軍調整する、という悔しさも味わった。「ファームが長かったですけど、そこでくじけず、めげずにやりこんできた成果の表れだと思う」とチームトップの4勝目。今江監督も「あいつの長所はつかみどころがないというか…。最終的に何がいいのかというのは僕もまだ分からない。不思議な選手ですよね」と笑った。
楽天にとって節目の一戦となった。甲子園で阪神に3連勝するのは球団史上初、同一カード3連勝も今季初めてだった。さらに交流戦単独首位浮上というおまけ付き。藤井が夜の聖地で大仕事をやってのけた。【山田愛斗】
◆藤井聖(ふじい・まさる) 1996年(平8)10月3日、神奈川県生まれ。富士市立では3年夏の藤枝東戦で無安打無得点。東洋大-ENEOSを経て20年ドラフト3位で楽天入団。22年4月28日ロッテ戦で初登板初勝利。今季推定年俸1300万円。176センチ、80キロ。左投げ左打ち。



