特別な日に豪快なアーチを描いた。初回1死一、二塁。ヤクルト村上宗隆内野手(24)がカウント1-1から巨人山崎伊の真ん中に入ってきた直球を強振すると、打球はバックスクリーンに飛び込んだ。「久々に完璧に捉えることができました」。打った瞬間、確信の26号3ランに「先制点欲しかったので、先制点挙げることができてよかったです」と喜んだ。

この日に打つことに大きな意味があった。今季限りでの現役引退を発表した青木の引退会見が行われた直後。村上は山田とともに会見の終盤にサプライズで登場し、花束を渡した。青木とは自主トレをともにしただけなく、21、22年のオフには活躍を祝いスーツをプレゼントしてもらうなど、かわいがってもらった。だからこそ、会見で青木への思いを問われると感情があふれた。「本当に今、こうしていい野球人生を歩めたり、いい人生を歩めたりしているのは本当にノリさんに出会ったおかげ」。声を詰まらせ感謝を口にした。

それでも、試合に入ると冷静さを失わないのが一流の証し。会見では涙を見せたが、ほとばしる思いは「まったくないです」。言葉通り、本塁打を放った後の打席でも2四球を選ぶなど、チャンスメークした。

お立ち台では「スワローズの勝利でまた明日も頑張ろうと、生きる勇気を与える、与え続けられたら僕はうれしいので、もっともっとたくさんいろんな皆さんに勇気と希望を僕自身も与えられるように頑張りたいなと思います」と力を込めた。主力として、偉大な先輩の思いを引き継ぎ、チームを引っ張っていく覚悟はできている。【水谷京裕】

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