ロッテ小島和哉投手(28)が7回無失点の好投で今季10勝目を挙げた。2桁勝利は自身3度目となる。
「岡田選手の引退試合ということで、僕も2桁がかかっていたので真っ向勝負で行って、打たれましたけどすがすがしい気持ちです。現役生活、お疲れさまでした」
お立ち台で誠実に話すと、西武ファンからも大きな拍手が起きた。
前日13日の練習前、壁にもたれかかりながらつぶやいた。
「明日勝つと10勝と、規定投球回に到達なんですよ。なんとか勝ちたいですよね」
9勝、142回1/3で迎えるマウンドだった。あとアウト2つで4年連続の規定投球回到達にも。「そろそろシーズンも終わりで、他のみんなもそうですけど、疲れもありますしね。なんとか明日クリアしたいです」。
1死を奪い、残り1アウトの相手が西武岡田雅利捕手(35)だった。引退する相手の、現役最後の投手になった。前日から緊張していた。
「僕、引退試合で投げるの初めてなんですよ。緊張します。フォアボールとか絶対にダメだし。とにかくストライクをしっかり入れていかないと」
その岡田に対し、きっちりゾーン内の低めを突きながら140キロ台後半をそろえていく。この日最速149キロも岡田に対してのものだった。最後は三塁線を破られ、二塁打にされた。
「岡田さん、以前都内のジムで2度くらいお会いしたことがあって」
そんな先輩の最後の相手になり、でもホームは踏ませなかった。次の野村大でしっかり今季143イニングにも到達した。
プロ6年目になったとはいえ、ユニホームを脱ぐのはまだ想像もできないほど先の話。ただ、小島は目の前しか見ていない。3年前の秋、こんなことを話していた。
「僕、野球って誰かのためにやるものなんです。親が見に来るとか、チームのために頑張ろうとか。吉井さん(当時投手コーチ)にも『登板間隔詰めても大丈夫です』とか言ってました。極端ですけど、次の試合で肩が壊れてもいいとか思って投げてる人なんで。長く長くよりも、1試合1試合後悔しないように」
1人の門出を見送り、またプロ野球選手として深くなった。「1試合1試合」と積み重ねはまだまだ続き、いつか着くゴールははるか先。【金子真仁】



