今季限りで現役を引退する阪神秋山拓巳投手(33)が、涙ながらにタテジマ一筋15年間の思いを語った。15日に西宮市内で会見を開き、サポートしてくれた仲間たちに感謝。大逆転優勝を願った。24日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦(鳴尾浜)が引退試合となる。30日の1軍DeNA戦(甲子園)の試合前には「ファイナルピッチセレモニー」を行い、満員のファンに感謝の1投を披露する。
◇ ◇ ◇
スーツ姿の秋山は開始10秒で声を詰まらせた。涙を拭きながら、あふれる思いを丁寧に言葉にした。
「当たり前に野球をやってきた15年間だったので、すごく寂しくなる。心と体が一致してこなくなって、思うような動きができなかった。もう1回、という気持ちで頑張ったけど、もう限界かなと感じました」
起伏の多かったプロ生活。順調だったのはいきなり4勝を挙げた1年目だけだという。引退の理由は18年に半月板除去の手術を受けた右膝の状態。通算49勝のほとんどは、苦悩しながらもぎ取った。その経験から、後輩には“変わる勇気“を持ってほしいと願っている。低迷した時期、先輩の藤川球児氏から「スピードを出せ」と助言を受けた。理想のフォームにこだわることをやめ、その後の活躍につなげた。
「結果を出していない時期はつらかったけど、本当に好きで野球ができていた。練習をつらいとか感じたことは1度もない。もっとうまくなりたいと常に思えたし、本当に投げるのが楽しかったです」
何度も感謝を繰り返した。先輩に、仲間に、球団に。苦しい時間を共有した夫人も引退会見を見守った。「これからの人生も『私がおるやん』と言ってもらって。一緒にいっぱい旅行に行きたい。妻が大好きな韓国を案内してほしい」と照れ笑い。両親からも「よく頑張ったやん」「これから頑張るんやで」と、ねぎらわれたという。
主力として活躍しながら、優勝とは無縁だった。「去年、優勝の輪に加われなかったのは本当に悔しかった」と心残りはある。大逆転連覇を目指して一戦必勝で戦う仲間たちに、エールを送った。「去年は優勝旅行に行けなかった。ぜひここから逆転優勝してもらって、優勝旅行に連れていってもらいたいです」。笑顔で“退職祝い”をねだった。【柏原誠】
◆秋山拓巳(あきやま・たくみ)1991年(平3)4月26日生まれ、香川県出身。西条(愛媛)時代は「伊予ゴジラ」の異名を取りエース兼、高校通算48本塁打の主砲として3年春夏の甲子園出場。09年ドラフト4位で阪神入団。高卒1年目の10年に完封含む4勝。17年、20年、21年と2桁勝利。通算134試合、49勝44敗、防御率3・66。この2年は勝ち星なし。188センチ、101キロ。右投げ左打ち。昨年1月に結婚。



