ソフトバンクが今季3度目の6連勝で、優勝マジックを7に減らした。

0-0の延長12回1死満塁で、栗原陵矢内野手(28)が決勝の中前適時打。完封リレーを演じた投手陣の力投に応えた。チームは両リーグ最速で80勝に到達し、オリックス戦の20年以来4年ぶりの勝ち越しが決定。最短18日の本拠地Vを目指し、16日は同一カード4連勝を狙う。

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最後の最後に快音が飛び出した。均衡を破る栗原の一打に、延長戦まで声援を送り続けたタカ党もお祭り騒ぎ。0-0の12回1死満塁。オリックスの左腕・山田のカットボールを捉え、中前に運んだ。「チャンスで打てない場面も多かったので、最後はなんとか打ててよかったです」。ヒーローは申し訳なさそうに話した。

特別な日だった。9月15日は、4年前の20年にチームのコンディショニング担当を務めていた川村隆史さんが、クモ膜下出血のため55歳で亡くなった日だった。球団は川村さんの背番号「01」をベンチ裏に飾り、試合に臨んでいた。栗原自身もプロ1年目から指導を受けた恩人。「常に明るくて、常に楽しく僕たちに接してくれた。どんなにきつい練習メニュー、僕らがきつい状況でも励ましてくれた。それが川村さんの人柄。僕も助けられた部分が多かった」。忘れはしない「9・15」。天国の川村さんにささげる決勝打だった。

現役時代に「練習の虫」だった小久保監督も思い出がある。「俺は練習が長かったけど、川村さんはどんな状況でも練習が終わるまで待ってくれていましたね」。優しさの中に厳しさを兼ね備えた人だった。「よしよしするだけの人じゃなかった。厳しい一面もある。そういう方でしたね」。試合前に「いい報告ができるように」と話していた指揮官は、勝利に胸をなで下ろした。

シーズン終盤に今季3度目の6連勝。2位日本ハムは試合がなく、優勝マジックは1減で7となった。さらに両リーグ最速で80勝に到達し、宿敵オリックスには20年以来4年ぶりの勝ち越しが決定。リーグ3連覇中の王者に雪辱を果たした。栗原は「1打席1打席いろんな感情がありますが、その中で結果を出す。目の前の打席に集中します」と口元を締めた。天国の川村さんへ、4年ぶりのリーグ優勝を届ける。【只松憲】

▼ソフトバンク岩井(延長12回に1回無失点でプロ初セーブ)「緊張しましたが、いろいろな方から『思い切っていけ』と言っていただいたので、思い切っていくことができました」