ソフトバンクが、4年ぶりのリーグ優勝を決めた。
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ソフトバンク倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(50)の“魔改造”が実った。
チーム防御率は最後にリーグ優勝した20年以来の2点台。直近10年では2度目、シーズン143試合制に限れば初という鉄壁ぶりだった。コーチ業を仕事と思わない積極的な姿勢に関係者は「あれほど熱心な人は見たことない」と目を丸くするほど。米国でのコーチ修行を経ての再入閣1年目。ソフトバンクの最重要課題だった先発陣を立て直した。
四球に対する印象を変えた。「今までだったら四球1個が悪みたいなイメージがあったと思う」。特に先頭打者への四球は失点に直結しやすいが「僕は出すのはしょうがないと思っているので」と倉野コーチは割り切った。重要なのは「0で帰ってくること」。先頭四球、2死から四球でも、とがめない。小久保監督や他の投手コーチの理解も深かっただけに「小久保監督もそうですが、その後を抑えればいいって言ってくれるのはありがたいですよね」と感謝していた。
今季8勝と覚醒したスチュワートは無四球だったのが1試合のみ。それでも防御率2・03の成績を残した。小久保監督も苦し紛れの投球ではなくなった右腕の姿に「今年の成長」とうなずいた。最速160キロ右腕の杉山は制球難と言われながら終盤は勝利の方程式入り。昨季は1軍登板ゼロ、一昨年は防御率6・80だった右腕が、倉野マジックにより開花した。
シーズン前に考えた開幕ローテーションは18通りだった。大好きなサウナで体を蒸されながら脳みそは野球でいっぱい。移動中は重たいまぶたをこすりながらファームの投手陣を逐一チェックした。“魔改造”とは、21年に1年半の月日を費やして投手の育成論を書き上げた初の自著「魔改造はなぜ成功するのか」が由来。投手王国を確固たるものへ。倉野コーチの改革は続く。【只松憲】



