阪神岡田彰布監督(66)が6日、今季限りで退任することを表明した。CSファーストステージDeNA戦に向けた甲子園での全体練習前に、1軍選手とスタッフ全員を集め「今季限りで終わる。1日でも長く野球をしたい」と伝えた。3日のレギュラーシーズン終了後、去就について自ら口を開くのは初めて。チームはCSを勝ち抜いて、2年連続の日本一を目指す戦いのまっただ中。熱い言葉を並べて選手たちの心を1つにした。
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静かなクラブハウスの一室に、岡田監督の熱い言葉が響いた。「今季限りで終わる。一番長く野球をやって、1試合でも多くやろう」。2年連続日本一へ、チームはあらためて気持ちを1つにした。リーグ最終戦から3日後、DeNAを迎え撃つCSファーストステージに向けた全体練習がスタート。指揮官は甲子園のグラウンドに出る前に、1軍選手とスタッフ全員を集めた。去就について初めて口を開き、自らの思いを直接伝えた。
球団初のセ・リーグ連覇は成し遂げられなかったが、CSを勝ち抜いて2年連続の日本一になる目標がある。「ファーストステージ、ファイナルステージと残りの試合全部全力で行こう」、「優勝をみんな目指してやっていたけど力及ばずだった。結果を受け止めて最後に日本一になれればいい」。魂のこもった言葉1つ1つが、ナインの心に刺さった。
10月と思えぬ真夏のような日差しが降り注いだ甲子園。岡田監督は内野後方や中堅付近で練習を見守ることが多いが、この日は右翼フェンスに寄りかかりながら、1人練習を見つめていた。ノックバットを右手に持つ姿はいつもと変わらなかったが、練習を見届けると最後は静かにグラウンドを引き揚げた。
昨季は18年ぶり6度目のリーグ優勝、38年ぶりの日本一にも輝いた。「岡田阪神」の戦いは、まだここからだ。来季の監督には、阪神OBの藤川球児氏(44=球団本部付スペシャルアシスタント、SA)が、すでに打診を内諾しているとみられる。岡田監督にとって藤川氏は、才能を見いだした教え子。育て上げたチームを残して、バトンを渡す。ただ、まだ戦いは終わっていない。心を震わせ燃え上がるような秋がまだ待っている。【磯綾乃】
<岡田監督アラカルト>
◆いきなり「アレ」宣言(22年10月16日)就任会見で「ずっと優勝は『アレ』しか言ってなかったんで。当然狙えるんじゃないか」と力強く第一声。
◆白星発進(23年3月31日DeNA戦)好投の青柳から継投で開幕戦勝利。
◆怒りの猛抗議(同8月18日DeNA戦)9回に代走熊谷の二盗を巡る判定に猛抗議。
◆ついに「アレ」達成(同9月14日巨人戦)宿敵に4-3で勝ち、セ・リーグ制覇を決めた。ついに禁を解き「今日で『アレ』は封印。優勝です」と場内の爆笑を誘った。
◆CS突破(同10月20日CSファイナルステージ広島戦)3連勝を決め、アドバンテージと合わせ4勝とし日本シリーズ出場。
◆日本一(同11月5日日本シリーズオリックス戦)7-1で圧勝。「選手と監督で日本一を達成できて本当に幸せ」と万感の表情。
◆黒星スタート(24年3月29日巨人戦)アレンパを目指した開幕戦に完封負け。
◆虎将最多勝(同7月6日DeNA戦)藤本定義を抜き、阪神監督最多の515勝目。
◆アレンパならず(同9月28日ヤクルト戦)試合中に巨人の優勝が決定。「勝負事やからそら、負けることもある」と受け止めた。
▽阪神岩崎(CSに向けて練習再開。岡田監督の退任には触れず)「別に、いつも通りじゃないですか」
▽阪神及川(1軍に合流)「もちろんメンバー入りを目指してやる。投げたい気持ちがあるので、できる限りのアピールと、調整をしていきたい」



