“コシ”の入った打撃でヒーローだ。オイシックス大川陽大外野手(25)の勝ち越し打でホーム2連勝を決めた。1-1の5回裏1死二、三塁で値千金の適時左前打を放った。昨年まで信越硬式野球クラブ(長野)に在籍。野球と並行しながら、信州そばで有名な「山本食品」の工場で社業にもいそしんだ苦労人のバットで、勝率を五分に戻した。
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大川の全身から4番の風格が漂った。同点で迎えた5回裏1死二、三塁。先制打を放った3番園部が決死の覚悟で犠打を成功させて広げた好機に心が奮い立った。「さすがに燃えた。何が何でも(走者を)かえさないと」。ストライクゾーンに来たら振ると決めて入った打席で、初球の真ん中低めの真っすぐを左前にはじき返した。「チャンスだったら点を入れることが4番の役目」。前2打席は連続三振だったが、大一番で仕事を成し遂げた。
BC信濃を経て、昨年はクラブチームの信越硬式野球クラブに在籍した。野球をメインとしながらも、日中は信州そばで有名な「山本食品」で社業もこなした。出荷時期には発送ライン。時には製造ラインにも入り「自社のは風味がまず違うっす」と、そばでも絶対的な自信を持つ。「仕事もやりながら、毎日野球させてもらえる環境にあった。感謝している」と振り返る。
右の長距離砲として開幕から全試合で4番に座る。そば同様に4番には「こだわりがある」と言い切る。「自分が打って勝つ。そういう試合があればあるだけいい」。宣言通りの決勝打を放ち、試合後のヒーローインタビューでは思わず「ゴイゴイスー」のギャグが飛び出した。
その直後の取材対応前には、ベンチ前で1人バットを振った。「個人的にはまだ全然、腰が入ってないんで。もっとチームの力になりたい」とまだまだ満足はしない。ここからひと味もふた味も違う4番になる。【大島享也】
◆大川陽大(おおかわ・ようだい)1999年(平11)11月5日生まれ、三重県出身。三重高から名城大を経て、BC信濃に入団。23年には当時BC新潟を破り、北地区制覇。昨年はクラブチームの信越硬式野球クラブに在籍し、今季からオイシックスに入団。177センチ、95キロ。右投げ右打ち。



