阪神藤川球児監督(44)が感情むき出しで、就任後初めて臨んだ伝統の一戦を取った。「やはり相手はジャイアンツさんですから。非常に力を入れて戦わなければならない相手。いい初戦だったと思います」。勝利への執念が全身からほと走った象徴が、2点リードの7回だった。
佐藤輝の四球からつないでつくった2死満塁の好機。7番木浪聖也内野手(30)が、巨人堀田の直球を鋭く振り抜いた。打球は左翼線ギリギリに落ち、走者一掃の3点適時二塁打。その瞬間、藤川監督がほえた。
「相手チームからすれば苦しい、こちらからすればジワジワと時間がかかる攻撃ですけど、いい攻撃だった」。打球の行方を見届けた指揮官は、ベンチで立ち上がり、あらん限りの力で激しくこぶしを振り下ろした。何度も雄たけびを上げる表情は、まさに闘将だった。
指揮官の闘志に束になって応えた打線。二塁ベース上で仲間の生還を喜んだ木浪も、両手のこぶしを掲げた。「みんながつないでくれた、その思いが自分を打たせてくれていると思っている」。昨季は満塁時に打率4割7分1厘と打ちまくり、2日のDeNA戦でも6回2死満塁で押し出し四球を選んだ「満塁男」は今季も健在。プロ入7年間の通算満塁打率は3割8分3厘の勝負強さだ。
今季初の巨人戦を敵地で快勝し、連敗も3でストップ。猛虎を率いる指揮官として、藤川監督も永遠のライバルへの思いを受け継ぐ。「やはり先人たちの思いがありますから、監督をしている以上はこれはもう当然のこと」。昨季は12勝12敗1分けと五分。だがリーグ優勝は譲った。今季も首位をいく巨人をたたかないと、上にはいけない。
指揮官は感情を表に出すことも大切にしている。「自分が表現するというのは、チームに勢いをもたらす部分でもありますから」。勝利への執念をむき出しにして、きょう5日にカード勝ち越しを決めにいく。【磯綾乃】



