西武の古賀悠斗捕手(26)が26日、華やかなプロ野球選手の「本質」を口にした。
球団はドラフト1位で明大・小島大河捕手(21=東海大相模)を指名した。「ドラ1だからこそ、球団が一番ほしいとしている選手を取りに行くと思うので」と行間のメッセージを真っ向から受け止める。
今季はチーム捕手最多の112試合に出場した。正捕手に近い働きだった。負けられない。大学野球とプロ野球の違いを問いかけられると、プロ4年間で痛感した決定的な違いを迷いなく話した。
「一番違うと思うのは、捕手のポジションは1つしかないんで。野球をずっとやってきてもそうでしたけど、プロに入ってきたらクビがある。プラス、ポジションも1つしかない。そこが一番、気持ち的にも熱的にも違うところなのかなって思います」
常にレギュラーを求め、かつ少しでも歯車がずれれば即、背水になりうることを身にしみている。
チームで戦う上で、意思統一や相互尊重の意味での“和”は必要だ。一方で、選手同士は「支配下枠70人」に生き残り続けるための、己の仕事や生活を死守するためのライバルだ。
投手の気持ちを知るために、時には始発列車で駆けつける人柄だ。小島らルーキーにも丁寧に応じ、良き関係を築くだろう。
しかし全ては自身が生き抜くことが前提。面倒を見るばかりではいつか負ける。プロ野球は学生野球ではない。本拠地の通路に書かれる「プロは勝って和す」の言葉が全てだ。
3年連続Bクラス。時にチーム内外から「緩い」「なれあい」の声が聞こえる。だからこそ、古賀悠の言葉に深みがある。
彼もまた、4年間のいろいろな局面で社会の難しさを味わったからこそ、それが見えている。
「僕は全試合に出場したい気持ちが、もちろんあります。これは捕手の面白みでもありますけど、いろんな投手とコミュニケーションしてリードして、成長も失敗もして。その数が多いほど経験も増えるし、評価も上がりますし、CS出場やシリーズ出場した時の喜びも大きいと思うので。僕はそこを目指してます」
捕手併用が普通になりつつある現代野球。新たなライバルが来るからこそ「勝つ」ではなく「全試合に出たい」という圧倒への思いを募らせる。
広池浩司球団本部長(52)は26日、朝一番で古賀悠と向き合った。「高い壁になって、さらに古賀自身も上に行ってほしい、という感じで伝えました」。
西武ドラフト1位、小島大河。その効果は早くも現れている。【金子真仁】



