昨季限りで現役を引退し、現在は編成本部参与を務める長野久義氏(41)の引退試合が、日本ハムとのオープン戦で行われた。9回表、日本ハム常谷が放った右飛を同氏がつかむと、球場全体から拍手が送られ「ボールを捕った瞬間、感動しました」と感慨に浸った。
昨年シーズン終了後に現役を引退。この日が背番号7を背負い、一夜限りの“現役復帰”だった。8回に代打で登場し、直球を捉える中前打。続く岸田の安打で三塁まで激走するなど、走攻守で躍動した。
9回表、右翼に就くと、日本ハム新庄監督が選手たちにジェスチャーを送る姿が目に入った。「ライトの方に打てとやってくれていた。ぐっときました」。胸が熱くなったまま、飛球を処理した。
プロ生活16年間で1番の思い出は、12年の日本一だという。日本シリーズの対戦相手は同じく日本ハムだった。振り返れば、日大4年時の06年、同球団から指名を受けるも入団を拒否した経緯がある。
当時スカウト部長を務めていた山田正雄氏とは、長く連絡を取り続けてきた。この日、ドームで最後の姿を見に来てくれた。ねぎらいの言葉をかけられ、「本当に感謝しています」。入団せずともずっと気にかけてくれた恩人の思いも、ラストゲームで受け取った。
チームを問わず、花束がドームの通路にあふれた。周囲の思いやりがあふれた引退試合は、自身が、誰よりも相手を思いやってきた証。「周りの方に恵まれた野球人生だと思います」“チョーさん”らしい姿で、グラウンドを後にした。【北村健龍】



