オリックス森友哉捕手(30)が6回に先制タイムリーを放った。攻撃型オーダーが編成され、今季初めて2番で出場。投手戦の0-0、6回1死一塁でロッテ先発小島の初球ストレートをとらえ、左中間を破る二塁打で待望の1点をもたらせた。
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森友哉は決してバットを離さなかった。開幕直後の4月1日西武戦から、出場5試合連続ノーヒット。4月の月間打率は2割6分8厘としたが同8日までは30打数3安打、打率1割と低調な滑り出しだった。
翌9日のロッテ戦の試合前のことだった。午後0時半。早出特打より早い時間に、京セラドーム大阪のグラウンドで1人で打撃練習を始めた。コーチ数人が見守る中、約30分間、打撃用のケージを独り占め。ゴツンと重い音を響かせる1発は計5発ほど。だが、予定の午後1時まで10分を切った頃に、おかわりを要求した。
「5階席で終わります」。しかし、そこから3球、柵越えはなし。さらに5球を要求し、柵越えはなし。すかさずこう言った。「あと3球で終わります」。川島打撃コーチから「『5階席で終わる』って言ったよね」とツッコまれると「絶対無理です」と言いながらも打ち続けた。
納得いかないのか「ラストで」。打っても打っても「ラストで」。右翼席前方に直撃したのを見届けると最後の「ラストで」を告げ、ケージを出ると、全身汗だくでしゃがみ込んだ。多くを語らない森友の美学が見えた一幕だった。
この日も初球をとらえた誰をも魅了する自慢のスイング。その陰にはこんな準備の時間がある。【中島麗】



