プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)は11日、都内で実行委員会を開き、打者の「危険スイング」に対して警告や退場処分を科す新たな運用を承認した。12日から適用される。
対象となるのは、打者がスイング時に最後までバットを保持できず、途中で投げ出してしまったケース。スイング途中の「すっぽ抜け」も含まれる。バットがグラウンド上の選手や審判員、ボールボーイ、ダッグアウト、カメラマン席、スタンド方向へ飛ぶなど、他者に危険を及ぼす行為を「危険スイング」と定義した。
罰則は3段階。危険スイングをしても他者に接触せず、グラウンド上を転がっただけの場合は「警告」。同一試合で同一打者が2度目の危険スイングを行った場合は「退場」となる。さらに、バット全体が他者へ向かい、直接身体に当たった場合や、ダッグアウト、カメラマン席、スタンドなどボールデッド区域へ飛び込んだ場合は、1度目でも「即退場」とする。
山川誠二規則委員長(60)は「ペナルティーを科すことが目的というより、打者に安全意識を高めてもらう、注意喚起の側面が強い」と導入意図を語った。
また、打球とともに飛んだバットが守備を妨害した場合は、公認野球規則5・09(a)(8)を適用して打者アウトとし、警告も併せて宣告。さらに野手へ直接当たった場合は即退場となる。
一方で、バント時にバットを放り投げるケースや、フォロースルーで捕手や球審に接触するケースについては、今回は対象外。ただ、フォロースルーが捕手に接触するケースについては実行委員会でも「危険ではないか」との意見も出ており、今後も継続審議していく。
NPB中村勝彦事務局長(59)は「満場一致で承認された」とし、異例の約1カ月でのスピード承認となった。野球規則の改正ではなく、12球団とNPB間で定めるアグリーメント(申し合わせ事項)の内規として運用される。
今回の措置の背景には、4月16日のヤクルト-DeNA戦(神宮)で発生した事故がある。ヤクルト・オスナの手から離れたバットが、球審の川上拓斗審判員(30)の左側頭部を直撃。川上審判員は緊急手術を受け、現在も治療が続いている。
◆実行委員会その他の議題
(1)「ピッチコム」導入について。選手会の意見を共有も段階的な議論が必要。機材調達や運用方法についてゲームオペレーション委員会で検討へ。
(2)ドラフト会議の日程確認。今後アマ側と意見交換して最終決定。
(3)統一球について。現時点で特別な変更を行った事実はないと見解。
(4)「社会を明るくする運動」「ダメ。ゼッタイ。」運動への協力確認。



