<ウエスタン・リーグ:阪神4-1広島>◇5日◇甲子園
待望の10勝左腕が帰ってくる!
左肩痛からの復活を目指す阪神岩田稔投手(25)が5日、ウエスタン・リーグ広島戦(甲子園)で48日ぶりの実戦復帰を果たした。2回22球を投げ、1安打無失点。打者6人で片付けるピッチングで格の違いを見せつけ、交流戦中の1軍復帰に向け大きく前進した。久保田の復帰も近づき、藤川も最短10日での復帰に向けキャッチボール再開。首位を走る巨人はこの日も敗れ、4ゲーム差に。昨年大逆転劇を許した宿敵を追撃する態勢がまもなく整う。
最後はどん詰まりの遊ゴロ。岩田は視線を落とし、小走りで一塁ベンチに戻った。まだスタートラインに立っただけ。あえて厳しい表情を崩さない。そんな左腕に、甲子園に駆けつけた観衆5754人が惜しみない拍手を送った。
「長かった…」。日本時間3月18日、WBC第2ラウンド韓国戦に登板後、左肩に違和感を覚えた。帰国後、すぐにリハビリを開始。黙々と汗を流した。実戦マウンドはその韓国戦以来、48日ぶりだった。登板前日の4日には「集中させてほしい」と、質問をさえぎるほど気持ちは高ぶっていた。
「気持ちは100%。でも力みすぎないように、バランスに気をつけた。力の入れ具合は7割ぐらい」。初回、2死から3番小窪に中前打を許したが、一塁けん制で誘い出した。終わってみれば2回を打者6人斬り。うち4人が内野ゴロ。打たせて取る、本来の持ち味を存分に発揮する上々の復帰戦となった。
「チームの皆さんに大変な迷惑をかけている。呼ばれた時にはしっかり結果を出せるようにしないと」。WBCはわずか2試合、1回0/3の登板に終わった。「何もできなかった」。にもかかわらず故障した。2軍の鳴尾浜で1カ月以上を過ごす間、ふがいない自分を何度も責めた。
周囲の反応も怖かった。3月上旬に自身の公式ホームページを開設したが、なかなかパソコンを開く気になれなかった。気がつけば、リハビリ開始から3週間が過ぎた。「全然見れなかった…。そろそろブログ更新しないと」。恐る恐る画面を見ると、何十通もの励ましメールが届いていた。
1歳5カ月になる長男を世話する時間が増えた。そんな毎日にも満足できなかった。1軍戦がテレビ中継されると、マウンドに立つ自分をイメージした。「ここで投げるんだ、ずっと思いながら見ていました。気持ちはずっと1軍という気持ちで過ごしてきた」。復活ロードのスタートラインに立った。
「スコアボードにゼロを並べるのが最高の仕事。次もゼロを並べたい」。12日の2軍ソフトバンク戦では80~100球をめどに投げる予定。山口投手コーチは「みんな競争している訳だから。(12日の)結果を見てから」と言うが、ここを順調にクリアすれば、交流戦前のローテ再編のメンバーとして加わる可能性は十分ある。首位に立つのは、昨季13ゲーム差を逆転された巨人。昨年Gキラーと呼ばれた岩田が追撃の使者に名乗りを上げる。【佐井陽介】
[2009年5月6日10時55分
紙面から]ソーシャルブックマーク




