<西武3-0オリックス>◇6日◇西武ドーム

 記録を逃しても、最後まで気を抜くことはなかった。西武岸孝之投手(25)がオリックス打線を1安打無四球で完封し2勝目を挙げた。7回1死から初安打を許す展開は、3月30日ソフトバンク戦の展開とまったく同じ。前回はそこから四球絡みで2失点しただけに「自分でも分かっていて、力をこめました」。後藤に左前打を許してから、さらに集中。4番カブレラには初球から内角直球勝負。強気に攻めた分だけ、左翼フェンス手前で失速させた。続くラロッカは遊飛。失敗を繰り返すことなく、9回140球を危なげなく投げ抜いた。

 許した走者は安打と失策による2人だけ。「試合中は疲れを感じないので、ホッとしたら足にきました」と振り返る涼しい顔には、まだ余裕が感じられた。春季キャンプでは「記憶にない」という200球超えの投球練習を課し、オフの自主トレではゴルフ場で起伏の激しい坂道を徹底して走り込んだ。渡辺監督は「最後まで球威が衰えなかった」と絶賛。細身で体力不足と言わせないために、準備してきた成果だった。

 2位タイに浮上した渡辺監督は「オリックス、ロッテと続くこの6連戦が大事」と上位陣との対戦をにらんだ。これで開幕からカード初戦は5戦全勝。打線がまだ万全といえないなか、初戦を任せる岸が、エース涌井とともに計算通りの働きでチームに安心感をもたらしている。【柴田猛夫】

 [2010年4月7日8時6分

 紙面から]ソーシャルブックマーク