<ソフトバンク9-1ロッテ>◇8日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク今季初となる3アーチの口火を切ったのは、意外な男だった。2番の本多雄一内野手(25)だ。同点で迎えた3回の第2打席。1死二塁フルカウントの場面でロッテ川越のフォークを振り抜くと、打球は右翼席最前列に飛び込んだ。通算9発目は、5年目にして初の本拠地アーチ。「ヤフードームで初めての本塁打。うれしい」。満面の笑みで勝ち越しのホームを踏んだ。

 夢にまで見たアーチだ。「昨日、本塁打を打つ夢を見たんですが、正夢になりました」と興奮気味。無安打に終わった前日7日は、ナイターだったにもかかわらず試合後にティー打撃を行った。そこで何かをつかんだのか、昨季1発しか打っていない本塁打の夢を見たという。「しかもランナーはムネさん(川崎)でした」と、現実となった前夜の“お告げ”を振り返った。

 実は、いい夢を見る準備ができていた。「やっぱり体が一番なので」。5年目の今季は今まで以上に体に投資している。開幕前に低反発素材のベッドを購入し愛用。また各地の遠征先で睡眠を取れるよう「遠征用マイ枕」も準備した。この枕が体に合わず、開幕直後に首を痛めたが、さらに新しい枕を求めたという。「実際に使ってみないとわからないから、枕選びは難しいですね…」。その後はしっかり熟睡できているという。夢を現実にする本多が、今季はファンに多くの夢を見させてくれるはずだ。【倉成孝史】

 [2010年4月9日11時40分

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