<巨人6-4オリックス>◇24日◇東京ドーム
まさにクラッチヒッターだ。巨人の長野久義外野手(25)が4-4で迎えた8回、決勝の6号ソロを放った。6本の本塁打はすべて接戦の場面で勝利に直結し、本拠地東京ドームでの初アーチも勝負強さを見せつける1発となった。不動の3番小笠原道大内野手(36)が23日の右手への死球で欠場を強いられたが、残るメンバーがカバーし合って接戦を制した。巨人は交流戦の勝率を5割に戻した。
開幕46試合目でたどり着いた本拠地のお立ち台で、長野はバットだけでなく先輩の決めぜりふまでちょうだいした。「最高です!」。4-4の8回、オリックス平野から右中間へ勝ち越し6号ソロを放った。阿部からもらったバットで打った特大弾で、直前に同点に追い付かれた嫌な流れを吹き飛ばした。逆方向、しかも深い右中間への当たりに「たまたまです」と謙虚だったが、交流戦に入って黒星先行だったチームを十分過ぎるほど活気づけた。
思い切りの良さが生きた。1死走者なしでカウント0-1。「それまでチャンスで凡退していたから、出塁したいと」。見逃せばボールかという高めでも、積極的に、しっかりたたいた。持ち味を発揮できた土台には、日ごろの練習がある。この日の試合前、フリー打撃でケージに座る柳ブルペン捕手に「今のはストライクですか?」とコースを確認しながら振った。練習から1球1球と丁寧に向き合い、試合では勝負どころを見極め果敢に振った。
大きな穴を埋めるアーチでもあった。小笠原が23日に受けた死球の影響で、今季初めてベンチを外れた。絶対的な大黒柱を欠く一戦。長野は「いつも小笠原さんに負担ばかりかけているので、どうにか自分たちでカバーできればと思っていました」とホッとした表情だった。仲間を思う気持ちは、いつでも変わらない。プロの門をたたいた直後、1月の新人合同自主トレでのこと。ある育成選手は、野球道具を満足に持っていなかった。それを知った長野は「これ、使いなよ」と、自分の革手袋をそっと渡した。偉ぶるわけでもない。周りの人を思う気持ちが自然と、そうさせた。
交流戦を5勝5敗の五分に戻す1発に、原監督も「思いきりの良さですね。広い角度に長打もあるのは相手バッテリーも嫌でしょう」と褒めた。これで、長野が本塁打を放った5試合は全勝。勝ち越し弾などが多く、白星に直結している。それでも、長野は「ホームラン打者じゃないですから。本当に、たまたまです」と、どこまでも謙虚だった。ただ、「気持ちはいいですね」と付け加えニッコリ。自分が打ってつかんだ勝利の味は、やはり最高だった。【古川真弥】
[2010年5月25日9時1分
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