<オリックス1-11日本ハム>◇20日◇京セラドーム大阪

 交流戦王者オリックスが日本ハムに屈辱的な大敗を喫した。1-3の8回に6番手阿南徹投手(25)が大炎上。新人では史上初となる1イニング満塁2被弾で8失点。パ・リーグ最下位相手に3タテを食らい、借金生活に逆戻り。岡田彰布監督(52)は阿南に加え、1失点したレスターの2軍降格を決断。好調時に機能していた勝利の方程式を解体する厳しい姿勢で、再浮上への決意を示した。

 ソフトな口調とは裏腹に、岡田監督の腹の中は煮えくりかえっていた。3連勝で締めくくり交流戦を制したチームが、まさかの3連敗。この日は屈辱的な試合となり、大なたを次々にふるった。

 1-3の8回に登板した新人阿南が、1イニングに満塁弾2本を浴びた。「左腕がせっかく1死とってから左(打者)に四球、死球でな」。自滅で8失点し、大敗を招いた左腕に、2軍行きを通告。3回もたなかった先発近藤は「自信なさそうに投げるやろ。そんな気持ちだったらローテは守れんよ」と突き放した。

 意外なところにも怒りの矛先が向いた。5番手レスターだ。7回2死満塁から暴投で痛恨の1点を献上。監督自らが交流戦優勝の立役者として挙げていた必勝リレーの一角だが、試合後に2軍降格を決めた。

 これも再浮上への強い決意の表れだ。「毎日毎日、(リリーフエースの)平野とか行かれへんよ。ほかの投手がしのいでいかんと。1、2点負けているときの投手が大事。そこで壊してしまうか、しのいで反撃の態勢をつくれるか」。

 交流戦で12球団1位のチーム打率2割9分7厘を記録したが、指揮官の持論は「打線は水もの」。計2得点に終わったこの3試合もたび重なる好機であと1本が出なかった。記録的大敗という屈辱を起点に、投手陣再建へ本腰を入れる。まずは、22日ロッテ戦から中山と西をリリーフ要員で昇格させる予定だ。

 「オールスターまでの区切りでな。ここでしぼんだらアカン。この30試合が一番大事なんやから」。意外なほど穏やかな口調の岡田監督だが静かな闘志がメラメラと燃えている。

 [2010年6月21日11時1分

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