<日本ハム6-2ソフトバンク>◇7日◇東京ドーム

 4位、きたぁ~。日本ハムが、得意のつなぎの攻撃でソフトバンクに逆転勝ちした。1点ビハインドの7回、摂津に5安打を浴びせ4得点。金子誠内野手(34)田中賢介内野手(29)森本稀哲外野手(29)の役者そろい踏みの3連続適時打でひっくり返した。先発八木智哉投手(26)は7回2失点で今季初勝利。4位オリックスが敗れ、開幕直後の3月22日以来、4位に浮上。3位ソフトバンクにも2・5差に迫った。

 七夕の夜に、痛快な白星を飾った。1点を追う7回、突如のヒットパレードが始まる。1死満塁から金子誠、田中、森本の3連続適時打で一挙4点。ソフトバンクの強固な勝利の方程式の一角、摂津からビッグイニングをつくった。逆転白星で再び貯金1で4位浮上。梨田監督は「5割を割らずに良かった」と、うれしそうに一息ついた。

 粘着質な代打コンビが、どんでん返しの伏線だ。その7回無死一塁。代打坪井がカウント2-0から、肩口に入った直球をよけた。かすった、と川口球審で抗議して死球をゲット。即座に、秋山監督がベンチを飛び出して物言いをつけたが覆らない。1死一、二塁から今度は、昇格したばかりの新人加藤政だ。見逃せばボールの低めフォークを詰まりながら中前へ運び、チャンスを広げた。

 試合前の悪夢を一掃する猛打攻勢だった。この日、高橋が聴覚障害で出場選手登録を抹消。加藤政が代役として、2軍戦の横須賀から急きょ招集された。「食らいついていった。結果を残せて良かった」と息つく間もなく仕事をした。ベンチへ戻った坪井は仲間から疑惑をかけられ、“名演技”とからかわれたという。「ひどいチームメート」と苦笑。代役たちが心地よく働けるムードづくり。好調なチーム状況が、その舞台裏に象徴されていた。

 5回まで10三振を喫しながら、最後にうっちゃり。同点打の金子誠は「分かりやすい野球をやっている。つながらなければ負けだから」と、全体の集中力を要因に挙げた。また3位ソフトバンクに2・5差とし、追撃態勢に拍車がかかりそうな大きな1勝。決勝2点打の田中は「流れに乗っていけました」と一体感を強調した。混パ演出の台風の目は、勢力拡大中だ。【高山通史】

 [2010年7月8日11時43分

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