西武栗山巧外野手(27)が今月14日に結婚していたことが20日、分かった。相手は兵庫県出身の深咲(みさき)さん(30=旧姓上田)で、知人の紹介で知り合い、5年ほどの交際期間を経てゴールインした。栗山が若手のころから苦楽をともにし、支え合ってきた。今季、球団史上初めて外野手としてフルイニング出場を果たすなど、球界を代表する選手に成長したことで、晴れて婚姻届を提出した。イケメンぞろいの西武にあって、随一の人気を誇る男が生涯の伴侶を得た。

 球界屈指の男前が結婚を決めた。栗山はさらなる飛躍を遂げたシーズン終了後の今オフ、交際中の深咲さんにプロポーズした。婚姻届を提出した12月14日は、深咲さんの誕生日からちょうど1カ月後。「今年はいい流れできてるから、今年っていう区切りで年内がいいかなと思った」と理由を明かした。

 出会いはプロ4年目の05年。同じ兵庫出身だったこともあって意気投合し、5カ月後には交際をスタートさせた。「一緒にいて無理しなくていい。素が出せるというか、普通でいられるのが一番だった」と振り返る。深咲さんは、知人に「彼女です」と紹介する栗山を見て、付き合っていると知ったほど自然に交際が始まった。3歳上の姉さん女房を「ムーミンのミイ似」に例えるが、パッチリとした目が印象的な美人だ。

 栗山は08年にやっとの思いでレギュラーに定着した。だからこそ「いい時も悪い時も一緒。ずっと支えてもらった」と感謝する。特に09年に始めた同居が、食生活を一変させた。「何でもつくれるし、おいしい」と絶賛する手料理。シーズン中は外食が多く肉類に偏りがちなため、家では和食中心にしてくれた。冷蔵庫には紙が張ってある。深咲さんが「骨折にいい食べ物、腱(けん)や筋とかの強化にいい食べ物を調べてくれたもの」だという。シーズン中、体重が変動しやすいタイプだけに、日々の食卓から支える内助の功が安定した活躍を後押しした。

 今オフの契約更改で、年俸1億円の大台を突破した。一流選手の仲間入りを果たした自信が、背中を押した。「相手の親御さんに『結婚させてください』と言っても恥ずかしくないくらいの成績は残せたと思う。深咲がどっしりしていてくれたことも大きかった」。今季はフルイニング出場に加え、08年以来2度目の打率3割に到達。ベストナインとゴールデングラブも受賞した。相手の人生を預かる身として、中途半端な成績では結婚できない。責任感あふれる決断だった。

 プロポーズも男らしかった。「シンプルに『黙ってついてこい』って感じ」。野球選手の妻として負担をかけることもあるかもしれない。それでも一番の応援者として支えてほしい。そんな思いから選んだ言葉だった。イメージする家庭は「男は黙って座っておく、みたいな亭主関白」と笑うが、実際は「2人でやったら2倍速やから」と簡単な家事を手伝う一面もある。

 挙式は未定だが、キャリア最高の成績を残した今季。おとこ気もある球界きってのイケメンが、最愛のパートナーを得て充実の1年を締めくくった。

 [2010年12月21日8時23分

 紙面から]ソーシャルブックマーク