<ソフトバンク7-6日本ハム>◇23日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが今季初の5点差大逆転劇で3連勝を飾った。8回、明石健志内野手(26)の2点適時内野安打で6-6の同点に追いつくと、続く本多雄一内野手(27)が日本ハム増井の高めに抜けたフォークを振り抜き、打球は右中間へ。一塁から一気に本塁を狙った明石は、相手捕手をかわしながら、右足を思い切り伸ばす“神の右足”で逆転のホームを踏んだ。

 「すごいですよね。僕だけの力じゃないです。初ヒットの2人が演出してくれた」。本多が真のヒーローとして挙げたのが、この日、スタメン起用でプロ初安打を記録した柳田と李杜軒の88年生まれコンビだ。

 大卒2年目の長距離砲・柳田は2回にレフト前にプロ初安打を放った。「1本出て、だいぶ楽になりました」。5回の2打席目では右中間へ三塁打を放った。台湾出身で高校から日本に留学し、6年目の李杜軒は6回1死一、二塁から右翼線へ適時二塁打を放ち、初安打&初打点をマーク。「柳田が先に打って焦りました。何も考えず初球から行こうと」と笑顔を見せた。

 前日22日もスタメン出場しながら無安打に終わった2人を、リラックスさせたのは先輩松田だった。登場曲を若い女性に人気の19歳歌手「きゃりーぱみゅぱみゅ」の元気でポップな曲に変更。効果絶大だった。

 秋山監督も「若い人は思いきってくれるからチームが盛り上がる」と活躍に目を細めた。交流戦までの結果が出ず、重かったムードをガラリと変える若手の台頭。得意の日本ハムに連勝。これで今季7勝1敗だ。今日24日、主将の小久保が戻り、追い上げムードはさらに高まる。【石橋隆雄】