<ソフトバンク1-2日本ハム>◇2日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクの自力優勝の可能性が消滅した。初回に先制しながら日本ハムに逆転負け。1分けを挟んで3連敗となった。先発の高卒ルーキー武田翔太投手(19)を援護できず、5戦連続で1得点。うち4戦が初回の1点だけと、ホームが遠い。3連勝を決めた首位西武に5ゲーム差をつけられ、リーグ3連覇が極めて厳しくなった。

 肩が震えていた。9回2死二、三塁と一打逆転の場面。本多雄一内野手(27)は捕邪飛に倒れた。試合終了。ホームの歓声が悲鳴に変わる。「あれだけ8、9番がつないでくれたのに…。悔しい。力まないでおこうと思っても、力んでしまった」。責任感の強い選手会長は、ベンチに座ったまま動かなかった。ベンチ裏で映像を見返し、悔しさが再びこみ上げる。これで11カードぶりの負け越しが決まった。

 「スミ1」地獄に陥った。無安打に終わった主将の小久保は「初回1点病やな…。1点入ったからひょっとしてと思ったけど」と自嘲するような顔で振り返った。初回にペーニャが先制打。その後が続かない。初対戦の日本ハム中村に凡打の山。3、5、8回にも得点圏に走者を進めながら、決定打を欠いた。売り出し中の柳田を下げ、多村を5試合ぶりスタメンに据える打順の組み替えも、特効薬とはならなかった。

 チーム防御率リーグトップの投手陣の踏ん張りで、何とか上位争いに踏みとどまっているのが現状だ。秋山監督は初黒星のルーキー武田を責めず、打線の奮起を促すように言った。「投手陣は頑張ってるから、あとは打つ方が頑張らないと。つなぐ気持ちだろうね。自分がというより、つないでつないでという気持ちじゃないか」。試合後にはコーチを集めたミーティングで、野手陣につなぐ意識を徹底させるよう伝えた。

 痛すぎる連敗。ナイターで3連勝を決めた首位西武に5ゲーム差をつけられ、自力優勝の可能性が消滅した。小久保は「1週間で5点か。普通なら5連敗やろ。でも1勝1分けできたなら、もうけ物や」と話し「一昨年を思い出して、直接食うぞ!」と気勢を上げたが、運命は非情だった。明日4日からは敵地で西武3連戦。2年前にはシーズン最終盤に西武戦3連勝し、奇跡の逆転Vの扉をこじ開けている。3連覇は厳しくなったが、諦めるわけにはいかない。【大池和幸】