ソフトバンク本多雄一内野手(28)が「名工グラブ」で球界の名手になる。29日、都内ホテルで行われた第41回三井ゴールデン・グラブ(GG)賞の表彰式に出席。チームただ1人の選出で、二塁手部門で2年連続2度目の受賞。「うれしい。今年は首痛で試合数が欠けたし、チームも3位で取れないと思っていた」と喜んだ。

 感謝したい人がいる。「久保田スラッガー」で知られる久保田運動具店の江頭重利さんだ。本多の愛用品も手がけるグラブ職人はこのほど、厚生労働省の「現代の名工」に選ばれた。本多は「小さい時からスラッガーのグラブを使ってきた。この賞は江頭さんのおかげでもある。自分も頑張ってグラブに負けない選手になりたい」と、さらなる守備面の向上を誓った。

 実は7月にグラブをマイナーチェンジしていた。「球をずっと捕ってると革が伸びるし、より素手で捕る感覚にしたい」とサイズを1センチほど小さくした。シーズン途中に勇気がいる変更だったが、効果は確実にあった。前半戦の失策数は「6」だったが、球宴後の失策数はわずか「1」。来季もこの自己最小型の“相棒”とともに受賞を目指す。

 職人肌がそろう二塁手でのホークスのGG連続受賞は、桜井輝秀(73、74年)と井口資仁(03、04年)に続く3人目。3年連続なら球団初となる。来年3月のWBC出場も期待される本多は「基礎を反復練習して、またこの賞を取りたい」。小久保が引退した内野陣を、堅い守りで引っ張っていく。【大池和幸】