<阪神6-2ヤクルト>◇18日◇京セラドーム大阪

 阪神西岡剛内野手(29)が手堅いプレーで勝利を引き寄せた。2回、2点を奪って逆転した直後だ。目の前で藤浪が犠打を決める。2死二塁。ファウルで粘り、ミートに徹する。中沢が投じた8球目の外角スライダーを的確にたたき、ライナーで右前へ。ベンチの意図通り、忠実に加点タイムリーを放った。

 「いい感じで打てましたね。晋太郎がしっかり送って、ベンチも何が何でも欲しい1点。そこで打てて良かった。試合内容よりも、負けたら意味がないから」

 左膝痛が癒え、1軍復帰3戦で3連勝だ。不動のリードオフマンがチームに勝ち運をもたらした。雰囲気も一変。この日の試合中、広報に託したコメントも秀逸だ。

 「関本さんが打ったら僕も打たないとダメだと思っていました。(二塁走者の)関本さんの足で、よくホームまでかえってくれましたね。関本さんの足に感謝、感激、感動です」。虎は明るいムードで戦う。

 守備でも貢献した。8回2死一塁。畠山の二遊間へのゴロをつかみ、華麗なジャンピングスローでアウトにした。打って、守って西岡の存在感はピカイチだ。試合後はお立ち台を沸かせた。ともに登壇した関本との掛け合い。2回、直前に適時打を放っていた先輩に「あそこまでバットを短く持って詰まるのは初めて見ました」とジョークを飛ばし、爆笑を誘った。今日19日からは横浜、静岡、名古屋、東京を転戦。長期ロード後半戦は頼もしい1番打者がいる。【酒井俊作】<関本と西岡のお立ち台VTR>

 -タイムリー、いいところで打席が回ってきた

 関本

 その前に福留さんが三塁に行っていてよかった。平凡なセカンドフライがタイムリーになった。

 -こん身のスイング

 最高の当たりだったんでよかった(笑い)。

 -その関本が残ってタイムリー。打った後、一生懸命に走る関本を横目で見ていたのでは

 西岡

 全然進んでなかったけど。バットをあそこまで短く持って、詰まる人は初めて見た。(2軍にいる間に)毎日メール来た。「仮病してるんじゃないぞ」と書いてあった。非常に心外です(笑い)。

 -マジックが消えて

 西岡

 試合前から分かっていたけど、勝つことだけに集中したい。とにかく勝てばいい。まだチャンス残っているから、必死のパッチで頑張ります。

 関本

 「必死のパッチ」は矢野さんに借りている。晋太郎も乱発してますが、矢野さんと共有したい。