18試合、78打席連続で本塁打が出ていない日本ハム中田翔内野手(25)が2日、元祖「カープ男子」の名に懸けて大爆発を宣言した。チーム休日のこの日、西川とともに札幌平岡小を訪問。子供らからパワーをもらい、今日3日からの広島2連戦(札幌ドーム)へ闘志満々。広島出身で少年時代はカープファンだった主砲が、これまで5本塁打を放っている好相性との対戦をきっかけに長いトンネルを抜ける。

 琴線に触れるワードは、今も昔も変わらない。中田は「カープ」という響きに心躍った。「カープの真っ赤なユニホームを見ていると気合が入る」。広島で過ごした少年時代。当時の広島市民球場でプロ野球選手になる夢を抱いた。最近話題の「カープ女子」に先駆け、地元球団を応援する「カープ男子」だった。現在、本塁打が18試合連続で出ていないが、幼少期に憧れた球団の話題には笑顔。自然と気持ちは高ぶった。

 好相性を誇る。過去の対戦では48打数14安打13打点で打率2割9分2厘。本塁打も5本と交流戦では、DeNA戦に並んで最多だ。「カープ戦では(本塁打と打点を)稼がせてもらっている。自信を持って臨みたい」。昨季は札幌ドームで4日に対戦濃厚な広島のエース前田から左翼へアーチを放った。いいイメージしかない相手に、不名誉なノーアーチ地獄からの脱出をもくろむ。

 長距離砲のプライドも取り戻した。この日訪問した小学校では、無邪気な小学生から本塁打を打つコツを問われた。「ちょっとホッとしたね。まだ、ホームランバッターって認知されてるんだって」と自虐的に振り返ったが、求められているものを再確認。「1本出れば、今までの流れでバンバン出る」。言葉に力強さも戻ってきた。

 少し特別な感情で臨む広島2連戦。「カープとの試合で、きっかけをつかみたいね」。子どものように目を輝かせ、活躍を誓った。【木下大輔】