フワフワな立場だったのに、隅田知一郎投手(26=西武)がピシッと侍ジャパンに勝利をもたらした。第2先発として5回からの3イニングを7奪三振。「今日はシーソーゲームだったんで、しっかり先発でもう1回初回くらいの入りで行けるように準備しました」と“先発”のハートで150キロ台を並べ、三振は全て変化球を空振りさせた。

侍に選出されるか不透明だった1月、隠さず濁さずに言った。「調整が難しすぎて…。ほんと、毎日どっちも使って練習するのが続いてるんで。選ばれるなら早く知りたいし、選ばれなくても知りたいし…」。侍選出ならメジャー球。目標のシーズン開幕投手に照準を合わせられるなら、いち早くNPB球に専念を-。

西武のキャンプインが迫る1月末には「もうMLB球では練習してません。キャンプでも使わないです」と言っていた。それでも波音が聞こえる宮崎・南郷キャンプのホテルの部屋で、隅田は夜な夜な。「部屋ではずっとMLB球を持ってたり…」。強い責任感で備えてはいた。海外の打者がチェンジアップをはじめ自身の変化球に面食らうことは、過去の経験でも悟っている。「ま、呼ばれたらスイッチ入るんじゃないですか?」と自分を客観視するように言っていた。

「おっと、ってなりました」。合宿の開始前日に招集され、慌てて着替えて源田とともに西武キャンプを後にした。そんな感じでも、こんな感じでやり遂げる。後輩たちに言い続ける。「負けるな!」。そのココロは「きつい時に頑張ることで次がある。そこを分かってもらいたいなと」。頑張ることで1つ上の自分になれる-。1次メンバーか追加招集かなんて、戦いには関係ない。隅田が活躍したから日本は大事な試合に勝った。【金子真仁】

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