新日本プロレス若手選手の登竜門「ヤングライオン杯」が9月4日の後楽園大会から開幕した。2年ぶり12度目の開催となる今回は新日本2、3年目の4人に加え、柴田勝頼がコーチを務めるLA道場から3人、バッドラック・ファレが指導するニュージーランドのファレ道場から1人の計8人が参戦。未来のスターを目指し、頂点を争う。

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この中から未来のスターが生まれるかもしれない。4日の後楽園ホールから総当たりリーグ戦がスタート。3カ所の道場から集まった8人は熱いファイトで聖地を盛り上げた。リーグ戦は22日神戸大会まで続き、最高得点者が優勝となる。以下参戦8人を紹介する。

海野翔太<新日本>(左)と成田蓮<新日本>
海野翔太<新日本>(左)と成田蓮<新日本>

<新日本(野毛道場)>

公式のファン優勝予想で1位となったのがデビュー3年目の海野だ。転機となったのは6月のジョン・モクスリーとのシングルマッチ。元WWEのスーパースターに敗れたものの、モクスリーに気に入られ、G1期間中はタッグパートナーと、セコンドを務めた。英語でのコミュニケーションに苦戦しながらも一流の背中を近くで追った経験は大きい。黒星スタートとなったが、「絶対あきらめない」と巻き返し初優勝を狙う。

同期で青森生まれの成田も負けじとステップアップのチャンスをうかがう。今年は初めてベスト・オブ・ザ・スーパー・ジュニアに参戦も全敗。その悔しさをぶつける。

辻陽太<新日本>(左)と上村優也<新日本>
辻陽太<新日本>(左)と上村優也<新日本>

アメフト出身の2年目辻は、ヤングライオンの名にそぐわない貫禄とパワーをつけつつある。G1最終戦の武道館でLA道場のコナーズに敗れ、体を絞り、新技も用意してリベンジを狙う。もう1人の2年目上村はアマレス出身で技術と高い身体能力を誇る。優勝とその先の海外遠征を目標に掲げる。G1期間中諸事情により、トレードマークだった髪をばっさりカット。昭和風のお気に入りの髪形に戻すためにも、ここで結果を残したい。

カール・フレドリックス<LA道場>(左)とクラーク・コナーズ<LA道場>
カール・フレドリックス<LA道場>(左)とクラーク・コナーズ<LA道場>

<LA道場>

長期欠場中の柴田勝頼が育てた精鋭がそろった。最年長29歳のフレドリックスは185センチの長身と強靱(きょうじん)な肉体を武器にチャンスを狙う。コナーズは初戦で優勝候補の海野を撃破。173センチと小柄だが技術とジュニア離れしたパワーを持つ。

アレックス・コグリン<LA道場>とマイケル・リチャーズ<ファレ道場>
アレックス・コグリン<LA道場>とマイケル・リチャーズ<ファレ道場>

鋼の筋肉をまとうコグリンは8人中唯一2連勝。強烈な逆水平で客席を沸かせるほか、甘いマスクで人気が出そうだ。

<ファレ道場>

バッドラック・ファレがニュージーランドで主宰する同道場からは1人。スキンヘッドにあごひげ、24歳には到底見えない風貌のリチャーズは17年のトライアウトで合格し、ファレ道場に入門。日本の野毛道場でも練習を積み、この6月にオーストラリア大会で2連勝デビューした。必死なファイトが日本のファンの心をつかみつつある。【高場泉穂】

ヤングライオン杯歴代王者
ヤングライオン杯歴代王者