3横綱と平幕の2人が休場して始まった秋場所。3日目の12日に高安と宇良の休場も決まり、幕内で7人が休場となった。肩を落とすファンも多いと思うが、裏を返せば、誰が賜杯を抱くか分からない、手に汗握る展開になったとも言える。

 休場者数が多い場所は、大関に優勝のチャンスがあるようだ。戦後、引退・廃業を除き幕内力士の同時休場数が最多だったのは、02年名古屋場所の9人。横綱貴乃花、大関魁皇、栃東、武双山らが休場した中で、大関千代大海が優勝した。今場所と同じ3横綱1大関が休場した99年春場所は、大関武蔵丸が優勝している。

 しかし、今場所残された2人の大関は、万全の状態とは言い難い。三役力士も序盤ながら星を落としている。この日を終えて全勝は琴奨菊、阿武咲らの平幕勢6人となった。まさに戦国場所。12年夏場所の旭天鵬以来の平幕優勝か。横綱で唯一出場している日馬富士や、大関陣が盛り返すのか。はたまた、予想もしていない伏兵が現れるのか。荒れているからこその、楽しみもある。【佐々木隆史】