取組などが掲載されている割紙の左側が、寂しい状況だ。各取組の懸賞欄は、先場所に比べて横幅が半分近く縮んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で無観客開催が発表された1日以降、懸賞を申し込んだ企業74社のうち39社が取りやめた。その後に数社が再び申し込んだが、懸賞数は昨年の半分近い1000本前後となる見通しだ。

懸賞の広告効果が薄れている中で、姿勢を崩さない企業もいる。2日目の白鵬-大栄翔の取組にかけられた懸賞はわずか1本だったが、その1本を出したタマホームは「当社はいつもと変わらない姿勢です。懸賞はスポット広告というよりも、大相撲のスポンサーでいるというのが当社のスタンスです」と説明した。

「伯方の塩」で知られる伯方塩業は今場所から、西前頭11枚目照強(25=伊勢ケ浜)指定の懸賞を15日間で出した。大相撲に懸賞を出して20年近く。無観客開催でも「こういうときだからこそ応援していかないといけない」と強調する。豪快な塩まきが代名詞となっている照強。「(新入幕から)1年でついに塩がきました。ありがたいこと」と、照れくさそうに感謝した。【大相撲取材班】