家族思いのイケメン力士が土俵を去る。22日、元前頭の東幕下筆頭旭秀鵬(33=友綱)が引退会見を行った。

近年は両膝などの状態が思わしくなく、十両だった昨年11月の九州場所で負け越し、今場所で幕下に陥落。約9年間在位してきた関取から陥落したことで引退を決意し「引退することになってすごく寂しい」と心境を素直に口にした。

思い出として新十両を決めた一番を挙げたが、他にも思い出の一番がある。それが、13年九州場所と15年夏場所だ。13年九州場所14日目の11月23日は父の誕生日で、平幕遠藤を破って幕内で初めての勝ち越し。15年夏場所9日目の5月18日は母の誕生日で、平幕貴ノ岩に勝って勝ち越した。両親の誕生日に勝ち越したことを「お父さんもお母さんも、すごく喜んでくれていた」と笑顔で振り返った。

引退を決意した際、もちろん両親に報告した。「『15年間お疲れさま。よくやったんじゃない』って声を掛けられた」としみじみと話した。15歳の時にモンゴルから柔道留学で来日した時、角界入りを決めた時、背中を押してくれたのは両親だった。「とりあえず日本には残る。いろいろやっていきます」と第2の人生でも親孝行をする。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)