高校球児が力士に転身した。甲子園で春夏を通じて優勝2回を誇る常総学院野球部出身の渋谷(18=二所ノ関)が、21日に行われた新序出世披露に臨んだ。

師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から借りた人気アニメ「北斗の拳」の主人公・ケンシロウが描かれた化粧まわしをつけて晴れ舞台をまっとう。「今日という日を迎えられてうれしい。(化粧まわしは)重かったです」とかみしめた。

常総学院時代は投手としてプレーも公式戦での登板はなかった。右肘の故障も抱え、野球は高校で引退すると決めた。地元近くの阿見町に創設された二所ノ関部屋の稽古を見学したことをきっかけに、2年時の2月に相撲の道に進むことを決心。経験はなかったが「他の競技に挑戦したい」という思いと、茨城の英雄として憧れる同親方のもとで相撲を極めたいと入門を決めた。

目標は「相撲をやるからには横綱」。師匠からの「今、勝てなくても4、5年後に勝てれば良い。慌てずに稽古を積もう」という言葉を胸に刻む。初めて番付にしこ名が載る3月の春場所。好発進するべく、稽古に励む。【村山玄】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

新弟子検査で身長を測る常総学院高野球部出身の渋谷
新弟子検査で身長を測る常総学院高野球部出身の渋谷
大相撲初場所3日目 前相撲に臨む渋谷(2024年1月16日撮影)
大相撲初場所3日目 前相撲に臨む渋谷(2024年1月16日撮影)