プロレス人生40年で7回目の引退を発表した大仁田厚(59)の分身グレート・ニタさよなら興行のアンダーカードで、新レスラー「MR.ハゲ」がデビューし、ミス・モンゴル(上林愛貴=40)と対戦。薄くなった頭髪の断髪を食らう屈辱を味わわされた揚げ句、7分32秒、体固めで壮絶に散った。

 MR.ハゲはマスクマン「ワイルド・ベアー」としてプロレス界で11年戦ってきたが今回、素顔をさらしてリングに立った。動機は、元政策秘書に「このハゲーー」などと暴言を浴びせ、暴行した件が問題となり、自民党に離党届を提出して受理された、豊田真由子衆院議員(42)の件が報道されたのを見て、怒りを覚えたことだった。ミス・モンゴルとの対戦は、「頑張っているブスは認められない」と常々、訴えるミス・モンゴルの発言に触発され、自ら希望したものだった。

 MR.ハゲはリングインの際、豊田議員が「このハゲーー」などと叫んだ肉声とされる音声と、ドリフの「ヒゲダンス」のテーマソングを合わせて流し、セコンド2人とヒゲダンスをしながら入場。本名の松熊大吾も紹介された。

 それが開始のゴングが鳴って早々、MR.ハゲはミス・モンゴルの情け容赦ない猛攻を、頭髪が薄くなった頭頂部に浴びた。モンゴルにマウント状態で組み伏せられ、頭髪をむしられ、ロープやコーナーポストに頭頂部をこすりつけられると苦悶(くもん)の表情を浮かべた。

 極め付きは、ロープで身動きを取れない状態にされ、はさみで断髪されたことだった。MR.ハゲは「貴重な髪を切りやがって、このヤロー」と叫んだものの、ミス・モンゴルに「うれせぇ、このハゲ!!」と返された。

 一時はセコンドが入り、形勢が逆転したかに見えたMR.ハゲだったが、セコンドと2人がかりでミス・モンゴルのラリアットを浴びてもん絶。頭髪を引っ張られながら首を絞められ、最後は体固めで3カウントを喫した。

 MR.ハゲは試合後「最後に命より大事な髪をつかんで…ひきょうじゃないか!! でもな、ハゲは世界中にいるからな!! チームハゲ!!」と捨てぜりふを残してピッチを立ち去った。【村上幸将】