同級3位近藤明広(32=一力)の海外で世界初挑戦での王座奪取はならなかった。同級1位セルゲイ・リピネッツ(28=ロシア)との王座決定戦に、0-3で判定負けした。採点は118-110が1人、117-111が2人と差がついた。

 序盤は左ボディーがよかったが、下から突き上げる力強い左ジャブでペースを握られた。常に先手をとられ、足も使われ、攻め込めない。5回に右ストレートでロープに下がらせるなどしたが、攻めも単調であとが続かない。12戦全勝(10KO)の相手に決定打をもらうことはなかったが、相手のリズムに手数も少なく、ポイントを引き離されていった。

 近藤は必勝の文字が入った鉢巻きを締めてリングインした。37戦目で初めての海外での試合で、ニューヨークでの世界戦も日本人として初めてだった。東洋大2年中退もWBA世界ミドル級王者村田と同期で、大きな刺激とアドバイスをもらっていた。中2の時に畑山隆則が2階級制覇した試合を見て、花咲徳栄からも誘われていた野球をスッパリと捨て、プロボクサーを目指した。あれから17年目にして「後半勝負で番狂わせを起こす」と臨んだが、同級で日本人4人目の世界王者はならなかった。