プロボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が亡き「恩師」にささぐ日本記録の15連続KO勝利を狙う。明日4日に沖縄県立武道館で2度目の防衛戦を控えた2日、那覇市内のホテルで、2階級制覇王者となる挑戦者の同級9位モイセス・フエンテス(30=メキシコ)と対面。予備検診と調印式に臨んだ。

 世界戦前、昨年11月に他界した沖縄ボクシング界の“父”となる金城真吉さん(享年73)の追悼10カウントが行われる。比嘉の師匠・具志堅用高会長(62)を興南高時代に指導し、40人のアマチュア全国王者を育成した名伯楽。比嘉自らも九州大会出場時に沖縄代表の総監督を務めてもらった。「相手が強いんじゃない。オマエが弱いんだ」とのゲキを受けた記憶がある。また昨年6月、沖縄で世界王座奪取の報告をした際には「これからが勝負だから頑張れ」と激励された。

 「(金城さんに)良い勝ち方を見せたい」という比嘉は「絶対にやらないといけない」と15連続KO勝利だけに集中する。37年ぶりの沖縄開催の世界戦。具志堅会長を含めた日本勢3人が全敗の不名誉記録も止めボクシング王国・沖縄を象徴する存在になるつもりだ。【藤中栄二】