プロボクシングWBA世界バンタム級2位井上尚弥(25=大橋)が国内最速となる16戦目の3階級制覇でボクシングの本場にあらためて存在感を示す。25日に東京・大田区総合体育館で王者ジェイミー・マクドネル(32=英国)に挑戦する一戦が、米英で生中継されることが23日、決まった。

 米動画配信のESPNプラス、英スポーツ専門局スカイスポーツでライブ中継。調印式に出席した井上は「盛り上がっている試合なのだなと思います。しっかりした形の勝利をしたい」と声を弾ませた。

 大橋会長によれば、米国時間では早朝の生中継となるがESPN以外からも米国内の中継オファーが届いていたという。同会長は「(ESPNプラスが)無料なので選んだ。宣伝効果は絶大」と歓迎した。日本人では村田諒太に続く国内世界戦の米生中継。「日本の軽量級が米英で生中継されるなんて異例」と話した。

 海外メディアからKO勝ちに関する質問を受け、井上は「その流れがきたらKOを狙っていきたい」と世界戦6試合連続KO勝ちを意識した。国内の世界戦連続KO勝利数で、井上は長谷川穂積、内山高志、山中慎介と並ぶ歴代2位の5連続。KOすれば具志堅用高に並ぶ歴代1位の6連続だ。世界戦通算KO勝利数も具志堅、山中と並ぶ9回。こちらもKOなら内山と並ぶ歴代1位の10回となる。

 井上が「ビッグマッチにつながる」と位置付けるマクドネル戦。KO勝ちで3階級制覇を成し遂げ、ボクシングの本場にも強さを届ける構えだ。【藤中栄二】